ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2017年08月

1287


Rambler/Bill Frisell(G)(ECM 1287) - Recorded August 1984. Kenny Wheeker(Tp, Flh), Bob Stewart(Tuba), Jerome Harris(B), Paul Motian(Ds) - 1. Tone 2. Music I Heard 3. Rambler 4. When We Go 5. Resistor 6. Strange Meeting 7. Wizard Of Odds


全曲ビル・フリゼールの作曲。かなり変則バンドの編成。チューバも参加する必然性も感じられて、それなりのごった煮的な面白さがあります。 けっこうアヴァンギャルドな鋭角的フリーではじまって、彼の意外な側面を見せてくれる1曲目、スペイシーな中にチューバ(けっこうバカテク)のサウンドが何となくマーチ風で印象的で、後半は超現代的ニューオリンズジャズ的音楽ただし浮遊しまくりの2曲目、ほのぼのとした温かいメロディが続く3曲目、次も明るくてメロディが柔らかく包み混むようなやはりニューオリンズ系のような4曲目、低音系2人が目立つ、ややハードな浮遊系ロックとも言える5曲目、ちょっとミステリアス系で個性的な哀愁サウンドの6曲目、内省的で冷たいサウンドが切れ込んでくるような、シリアスな7曲目。

1286


Song For Everyone/Shankar(Vln, Ds Machine)(ECM 1286) - Recorded September 1984. Jan Garbarek(Ss, Ts), Zakir Hussain(Per), Trilok Gurtu(Per) - 1. Paper Nut 2. I Know 3. Watching You 4. Conversation 5. Song For Everyone 6. Let's Go Home 7. Rest In Peace


(00/01/08)メンバーからいくと完全にインド系のサウンドなのですが、北欧のヤン・ガルバレクのサックスが加わったことで、どことなく無国籍、あるいは異種格闘技的な異国情緒を感じることができます。曲はすべてシャンカールの作曲。 エレクトリック・ヴァイオリンやドラムマシーンを使っているのもサウンドに変わった彩りを添えています。哀愁を帯びたヴァイオリンとサックスの混じりあう1曲目、インドのリズムの上にテーマで爽やかなサックスが舞う2曲目、しっとりとしたリズムの上を淡々と進むヴァイオリンとサックスの、13分台の3曲目、まさに「会話」の、強力なインドリズムの4曲目、親しみやすいメロディのタイトル曲の5曲目、ベーシックなリズムの上を綴っていく6曲目。7曲目は厳かにヴァイオリンで幕を閉じます。

1285


Holderlin: Gedichte/Bruno Ganz(Narration)(ECM New Series 1285)(輸入盤) - Rcorded March 1984. - 1. Rene Char: Prometheus Und Steinbrech Zugleich 2. Friedrich Holderlin: Die Dioskuren 3. Der Ister 4. Ner Neckar 5. Der Winkel Von Hardt 6. Heidelberg 7. Ihr Sicher Gebaueten Alpen 8. Lebenslauf 9. Der Abschied 10. Diotima 11. Ruckkehr In Die Heimat 12. Vom Abgrund Namlich 13. Johannes R. Becher: Auswahl 14. Friedrich Holderlin: Mnemosyne 15. Hort Ich Die Warnenden 16. Da Ich Ein Knabe War 17. Halfte Des Lebens 18. Andenken 19. Brot Und Wein 20. Wenn Aus Dem Himmel 21. Paul Celan: Tubingen, Janner


(04/04/03)Bruno Ganzのアルバムの1作目。時々音(楽器)の断片が出てくるものの、全編が彼のナレーションというか、語りになっているという、ECMでは異色作です。CDはドイツ語で書かれているのでよく分かりませんが、数人の詩人の詩を朗読しているのだろうと思います。日本人にはほとんど無縁のCDでしょうけれども、集めていくには出会ってしまうCD。ただ、その朗読のリズム、イントネーションなどは比較的心地良いかも。

1284


Best Laid Plans/David Torn(G)(ECM 1284)(輸入盤) - Recorded July 1984. Geoffrey Gordon(Per) - 1. Before The Bitter Wind 2. Best Laid Plans 3. The Hum Of Its Parts 4. Removable Tongue 5. In The Fifth Direction 6. Two-Face Flash 7. Angle Of Incidents


(03/04/20)デヴィッド・トーンのオリジナルか2人の共作によって構成。1、6曲目が共作なので2人の フリー・インプロヴィゼーションなのでは、と思いますが、けっこうまとまりがあります。1曲目ではエレキギターで切り裂いていくフレーズとドラムスが、まるでデュオでロックをしているかのような、スペイシーかつ元気なフレーズが舞い飛びます。哀愁の漂う出だしのアルペジオと時に舞っているギターのフレーズが浮遊感を誘うタイトル曲の2曲目、強力なギターとドラムスのフレーズが空間に響き渡る3曲目、ディストローションの効いたギターソロの小品の4曲目、粘り気のあるドラムスの上を飛翔するギターの5曲目、フレーズはマイペース な感じで、淡々と進んでいく6曲目、やや変化のあるコラボレーションが聴ける7曲目。

1283


It Should've Happened A Long Time Ago/Paul Motian(Ds)(ECM 1283) - Recorded July 1984. Bill Frisell(G), Joe Lovano(Ts) - 1.It Should've Happened A Long Time Ago 2. Fiasco 3. Conception Vessel 4. Introduction 5. India 6. In The Year Of The Dragon 7. Two Women From Padua


全曲ポール・モチアンのオリジナル。3人の初アルバムで、その後長い付き合いになります。ベース無しの不安定な編成ですが、ストリングス的なギターの音が意外に厚く、この トリオだとこの編成が当たり前のように思えるのが不思議。1曲目から不思議な浮遊感覚と哀愁が出てきて、すでにこの録音でトリオとしてのサウンドが確立しています。無機的なテーマを持つ、フリーに近いような激しいアヴァンギャルドなサウンドの2曲目、かなり空間的で個性的ですが美しい気もする3曲目、ギターで切なさを秘めたメロディが奏でられていく静かな4曲目、曲名と違ってインド的な感じはしないけど雄大な印象もある5曲目、やや激しいサックスのソロや包みこむギターが展開される6曲目、危うげなテーマと自由な進行の7曲目。

(注)Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)で6枚組BOXとして、’13年に再発。

1282


Voyage/Chick Corea(P)/Steve Kujala(Fl)(ECM 1282) - Recorded July 1984. - 1. Mallorca 2. Diversions 3. Star Island 4. Free Fall 5. Hong Kong


邦題「果てしない旅」。1、3、5曲目がチック・コリアの作曲で、2、4曲目が共作ないしはフリー・インプロヴィゼーション。ピアノにスパニッシュの色やクラシック的な感じが濃く反映される部分もあって、 かなりジャズ色を抑えたフレーズで勝負しています。フルートも、やはりジャズをあまり感じさせないクラシック寄りの個性 かも。哀愁の漂う情景がヨーロッパ的に目の前に広がっていき、構築されたカッチリとしたやり取りの世界がそこにある10分台の1曲目、研ぎ澄まされたインプロヴィゼーションにも聴こえる変化に富んだやり取りの12分台の2曲目、ソロ・ピアノで、ゆったりしっとりと進行していく3曲目、やはり物悲しい雰囲気をもちつつ静かで日本的な情緒も少し感じる4曲目、緩急自在で温度感が低い現代音楽的な5曲目。

1281

Piano Harfe/Michael Fahres(ECM New Series 1281)(未CD化) - Recorded August 1982. Polo De Hans(P), Paul Godschalk(Live Electronics), Hans Stibbe(Live Electronics), Gyde Knebusch(Harp) - 1. Piano (Solo Piano And Live Electronics) 2. Piano (Solo Piano And Live Electronics)

(’20年3月現在ストリーミング配信もなし)

1280


Album Album/Jack DeJohnette's Special Edition(Ds, Key)(ECM 1280) - Recorded June 1984. John Purcell(As, Ss), David Murrey(Ts), Howard Johnson(Tuba, Bs), Rufus Reid(B) - 1. Ahmad The Terrible 2. Monk's Mood 3. Festival 4. New Orleans Strut 5. Third World Anthem 5. Zoot Suite


2曲目以外はジャック・ディジョネットの作曲。再びデヴィッド・マレイが復帰し、フロントも3管になってさらに強力になった作品。単なるアドリブ一発バンドでない事は、変化していく緻密な曲や 、2曲目の「モンクス・ムード」でのアンサンブル中心のハーモニーの美しさにあらわれています。フリーでアグレッシヴなフレーズと楽しいサウンドがところどころ出てきます。 テーマが複雑で知的、かつディジョネットのピアノも聴ける1曲目、陽気なメロディとアンサンブルのテーマで、ニューオリンズ的に楽しくせまってくる3曲目、ニュー・オリンズのタイトルですが、ウェザー・リポート的にも聴こえる4曲目、構築された部分とアドリブの対比が面白い10分台の5曲目、「スペシャル・エディション」からの再演曲で、やっぱり一味違う6曲目。

(注)Jack DeJohnette Special Edition(ECM2296-99)の4枚組CDBOXで再発 ’12年

1279


Duas Vozes/Egberto Gismonti(G, P, Fl, Dilruba, Voice.)/Nana Vasconcelos(Per, Berimbau, Voice)(ECM 1279) - Recorded June 1984. - 1. Aquarela Do Brasil 2. Rio De Janeiro 3. Tomarapega 4. Dancando 5. Fogueira 6. Bianca 7. Don Quixote 8. O Dia, A Noite


邦題「ふたつの声」。それぞれの曲ないしは他との共作が8曲中6曲。2人の演奏が対等な感じで行われていて、聴くものの心に迫ってくるようなアルバム。2人ともブラジル出身なので、民族的なサウンド。これがジャズかと いうと難しいけれど、少なくともスピリットは十分ジャズと言えます。個性的なギターのサウンドとパーカッション(声?)の同居がタイトルのように水彩画を想起させる1曲目、出だしのスピーディーなサウンドがスリリング、そして緩急自在な2曲目、トラディショナルでヴォイスが面白い3曲目、やはり乾いたギターとパーカッションの4曲目、やや元気で明るい感じになった5曲目、浮遊感のあるメロディが心に焼き付く6曲目、ピアノにかわって南米の風景が広がる7曲目、パーカッションと素朴な音色の楽器の8曲目。

1278


First Circle/Pat Metheny(G) Group(ECM 1278) - Recorded February 15-19, 1984. Lyle Mays(P), Steve Rodby(B), Pedro Aznar(Voice, Per), Paul Wartico(Ds) - 1. Forward March 2. Yolanda, You Learn 3. The First Circle 4. If I Could 5. Tell It All 6. End Of The Game 7. Mas Alla 8. Praise


ECM最後のパット・メセニーのアルバム。彼単独のオリジナルが3曲、ライル・メイズとの共作が5曲。ヴォイスが印象的で、ドラマチックな曲が多いです。ここまでの集大成といった感じ。調子ハズレのマーチで冒頭を飾る1曲目、ノリが良くてメロディも分かりやすく、すんなり入ってくる2曲目、ヴォイスも入る変拍子路線の有名曲で、ハートにグッとくるタイトル曲の3曲目、限りない優しさをこめて紡ぎ出されていくバラードの4曲目、日本人好みで哀愁を誘ってギターもピアノもフレーズが鋭い、やはりヴォイス入り変拍子ドラマ路線の5曲目、穏やかな進行の上に分厚いサウンド、ギターシンセやピアノがのる6曲目、ゆったりした曲でヴォイスのメロディが決め手となる7曲目、ラストらしく、盛り上がる曲調で大団円を迎える8曲目。(02年9月19日発売)

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