ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2018年04月

1510


Abii Ne Viderem/Giya Kancheli(ECM New Series 1510) - Recorded April 1994. Vasiko Tevdorashvili(Voice), Natalia Pschenitschnikova(Afl), Kim Kashkashian(Viola), Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies(Cond), The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor), David Gould(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), John Potter(Tenor) - 1. Morning Prayers 2. Abii Ne Viderem 3. Evening Prayers


(02/08/11)邦題「私は去る、見ることもないままに」。現代音楽。1、3曲目は組曲の一部で、やはりカンチェーリらしく、静かな場面が大半を占めていて、時々突発的に音が大きくなる、といった構図。3曲目はヒリヤード・アンサンブルが参加 しています。2曲目のタイトル曲は、キム・カシュカシャンのヴィオラで悲しげな旋律を奏でていきますが、進行は空間的で複雑。現代的にもかかわらず、おそらく宗教的な要素も含んでいます。

1509


Musica De Sobrevivencia/Egberto Gismonti(P, G, Fl) Group(ECM 1509) - Recorded April 1993. Nando Carnerio(Synth, G, Caxixi), Jaques Morelenbaum(Cello, Bottle), Zeca Assumpcao(B, Rainwood) - 1. Carmem 2. Bianca 3. Lundu 2 4. Forro 5. Alegrinho 2 6. Natura, Festa Do Interior


邦題「ミュージック・オブ・サヴァイヴァル」。全曲エグベルト・ジスモンチの作曲。モチーフはブラジルの、ある壮大な湿地帯だそうです。33分にも及ぶ6曲目を聴く 5分前に読めという詩がライナーに書いてありますが、輸入盤だと英語のみ。映像的に迫ってくるような連綿とした音のつながりがそこにあります。物語がゆっくりとはじまっていくような、独特な哀愁に包まれているギター中心の1曲目、印象的でエキゾチックなメロディが寄せては返す、やはりギターの2曲目、速いテンポの綾織り系のアルペジオがせまってくる3、5曲目、ミステリアスなピアノになってノリの良いリズムとの対比が面白い、ラストはフルートで原初的な4曲目、そして壮大な6曲目は「ナトゥーラ:未開地の祭」という、クラシックの香りもあるドラマチックな大作。

1508


Gyorgy Kurtag/Robert Schumann/Hommage A R. Sch.(ECM 1508)(輸入盤) - Recorded August 1992, May and September 1994. Kim Kashkashian(Viola), Rovert Levin(P), Eduard Brunner(Cl) - Gyrgy Kurtag: 1-9. Neun Stcke Fur Viola Solo 10-15. Jelek Op.5 16-21. Hommage A R. Sch. Op.15d Robert Schumann: 22-25. Marchenbilder Op.113 26-28. Fantasiestucke Op.73 29-31. Marchenerzahlungen Op.132


(03/09/21)前半は20世紀の作曲家Gyrgy Kurtag、後半は19世紀の作曲家Robert Schumannの曲を取り上げています。前半15曲目まではヴィオラのソロ。16-21曲目は3人での演奏。やはりKurtagは難解なイメージがあって、スペイシーかつ内省的に心の中に入り込んできます。後半のシューマンは2人ないし3人での演奏。やはりこちらの方が長調はほのぼの、短調は哀愁漂う、親しみやすいメロディなので、聴きやすいです。

1507


Kulture Jazz/Wadada Leo Smith(Tp, Flh, Koto, Mbira, Harmonica, Bamboo Notch Flute, Per, Vo)(ECM 1507) - Recorded October 1992. - 1. Don't You Remember? 2. Kulture Of Jazz 3. Song Of Humanity (Kanto Pri Homaro) 4. Fire-Sticks, Chrysanthemums And Moonlight (For Harumi) 5. Seven Rings Of Light In The Hola Trinity 6. Louis Armstrong Counter-Pointing 7. Albert Ayler In A Spiritual Light 8. The Kemet Omega Reigns (For Billy Holiday) 9. Love Supreme (For John Coltrane) 10. Mississippi Delta Sunrise (For Bobbie) 11. Mother: Salah Brown-Smith-Wallace (1920-92) 12. The Healer's Voyage On The Sacred River (For Ayl Kwel Armah) 13. Uprising (For Jessie And Yvonne)


全曲Wadada Leo Smithの作曲。マルチ・プレイヤーによるソロ・パフォーマンスでヴォーカルの曲もあります。空間を生かすというよりも、ちょっとスカスカの感じも否めないですが。かなりプリミティヴな印象で、素朴なヴォーカルの曲もあったり楽器の演奏。1曲目のヴォーカル曲からその雰囲気は濃厚で、静かながらやや計算されている気配も。2曲目のタイトル曲はほとんどソロのトランペット。他に何曲か曲名にジャズ・ミュージシャンの名前がついていたり、捧げられている曲もありますが、あくまでもマイペースという感じ。6曲目のルイ・アームストロングとか7曲目のアルバート・アイラーとか。8曲目はホーンが分厚く多重録音でゆったりと。10曲目には琴まで出たりして。問題作になりうると思いますが、聴く人を選ぶかも。

1506


Hindemith/Britten/Penderecki, Lachrymae(ECM New Series 1506)(輸入盤) - Recorded December 1992. Kim Kashkashian(Viola), Dennis Russell Davis(Cond), Stuttgarter Kammerorchester - 1. Paul Hindemith: Trauermusik 2. Benjamin Britten: Lachrymae Op.48a 3. Krzysztof Penderecki: Konzert Fur Viola Und Kammerorchester


(04/02/14)3曲とも20世紀の現代音楽家の作品です。どちらかと言うとキム・カシュカシャンの方にスポットが当たっているようなアルバム。1曲目は静かにゆったりと情景描写のように音楽風景が流れていき、しっとりとしながらも淡々とした雰囲気。2曲目は静かな場面からドラマがゆるやかに展開、現代的な寒色系のサウンド。3曲目はさらに暗い深遠な世界へ引き込まれるような現代音楽。静けさも覗きますがドラマチック。

1505


Te Deum/Arvo Part(ECM New Series 1505)(輸入盤) - Recorded January 1993. Estonian Philharmonic Chamber Choir, Tallinn Chamber Orchestra, Tonu Kaljuste(Cond) - 1. Te Deum 2. Silouans Song 3. Magnificat 4-11. Berliner Messe


(03/10/25)エストニア出身の作曲家、アルヴォ・ペルトが’80-90年代に作曲した作品集。1、3-4曲目以降は合唱団が入っていますが、現代音楽なのに宗教音楽家の彼らしく、敬虔で深遠な響きに満ちています。どの曲も複雑さは感じられず、深い青色の世界がのぞきながらも、心にすんなりと溶け込んでいくようなサウンド。タイトル曲の1曲目は28分台の曲で、荘厳ながら盛り上がる場面も。3曲目は合唱団のみです。

1504


Codex Specialnik/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1504) - Recorded January 1993. David James(Vo), Rogers Covey-Crump(Vo), John Potter(Vo), Gordon Jones(Vo) - 1. Exordium Quadruplate Nate Dei Concrepet Verbum Caro 2. Tria Sunt Munera Videntes Stellam Reges Tharsis 3. In Natali Domini 4. Sophia Nasci Fertur O Quam Pulchra Magi Videntes 5. Congaudemus Pariter En Lux Immensa 6. Magnum Miraculum 7. Nobis Est Natus 8. Salve Mater Gracie 9. Christus Iam Surrexit Terra Tremuit Angelus Domini Surrexit Christus 10. Presulem Ephebeatum 11. Paraneuma Eructemus 12. Presidiorum Erogatrix 13. Pneuma Eucaristiarum Veni Vere Illustrator Dator Eya Paradiso Tripudia 14. Terrigenarum Plasmator 15. Pulcherrima Rosa 16. Chorus Iste 17. Bud' Buohu Chvala Cest 18. O Virens Virginum 19. Kyrie Petite Camusette 20. Gloria Petite Camusette 21. Tota Pulchra 22. Credo Petite Camusette 23. Ave Pura Tu Puella 24. Sanctus Patite Camusette 25. Ave maria


(02/07/07)邦題「ボヘミアの祈りの歌」。洋題は「スペツィアルニク写本」で、1500年ごろのプラハの宗教音楽とのこと。素朴な味がありつつも荘厳で厳粛な教会音楽の合唱集。そして、そこで歌われているのは、ポリフォニー(複合旋律)での合唱で、中世の宗教音楽もけっこう豊かなサウンドだったのだな、ということを実感 します。静かに包みこむような曲が多いので、ヒーリングの要素もあります。ゆったりと聴きたいアルバム。

1503


Water Stories/Ketil Bjornstad(P)(ECM 1503) - Recorded January 1993. Terje Typdal(G), Bjorn Kjellemyr(B), Jon Shristensen(Ds), Per Hillestad(Ds) - Part One: Blue Ice (The Glacier) 1. Glacial Reconstruction 2. Levels And Degrees 3. Surface Movements 4. The View 1 5. Between Memory And Presentiment Part Two: Approaching The Sea 6. Ten Thousand Years Later 7. Waterfall 8. Flotation And Surroundings 9. Riverscape 10. Approacing The Sea 11. The View 2 12. History


全曲ケティル・ビヨルンスタ の作曲。彼は、ノルウェーのピアニスト。水をテーマにしたこのアルバムも、北欧的イメージで迫ってきます。ドラマチックですが、多少荒々しい部分も。ちなみにエレキ・ギターと、ベースはエレキ、アコースティック持ち換えでの参加が異色で効果的。意外にトンガっています。大きく2つのパートに分かれていて、内省的で繊細な水(あるいは氷)の風景。フリーに行きそうで行かないリリシズムをたたえながら、ゆったりと進んでいきます。自由でゆったりした1、3、5曲目、ややドッシリとしたリズムで歩む2曲目、8ビート進行の4曲目、ひたすら叙情的にせまる6、9-10曲目、やや過激な小品の7曲目、叙情的にもロック的にもなる8曲目、ドラマチックな進行の11曲目、ゆっくりした優しい旋律の12曲目。

1502


November/John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), John Surman(Bs, Ss, Bcl)(ECM 1502) - Recorded November 1992. - 1. The Cat's Back 2. J.S. 3. Right Brain Patrol 4. Prelude 5. November 6. Rise And Fall 7. John's Waltz 8. Ogeda 9. Tuesday Afternoon 10. To Be 11. Coma Rain Or Come Shine 12. Big Music


3人プラス、ジョン・サーマン(5曲参加、1-2、6、8、10曲目)。3人は長い付き合い。フリー・インプロヴィゼーションが1、5、9曲目で、ジョン・アバークロンビー作が5曲(2、4、7、10、12曲目)。フリー的でスリリングながらアップテンポの4ビートで進行していく1曲目、しっとりゆったりとしたバラードの2曲目、マーク・ジョンソン作でトリオでのおなじみのメロディの3曲目、美しいホンワカしたバラードの4、7曲目、ギターが斬り込みオドロオドロとバックが攻めるタイトル曲の5曲目、哀愁を強く感じる6曲目、ジョン・サーマン作で淡色系のサウンドの8曲目、ベースとドラムスが語り合う9曲目、乾いた切なさがゆっくりと心に入りこむ10曲目、唯一のスタンダードで優しく奏でる11曲目、微妙なバランスながらややアップテンポの12曲目。

1501


Johann Sebastian Bach/3 Sonaten Fur Viola Da Gamba Und Cembalo BWV1027-1029/Keith Jarrett(Chembalo)(ECM New Series 1501) - Recorded September 1991. Kim Kashkashian(Viola) - 1-4. SonateG-dur BWV1027 5-8. Sonate D-dur BWV1028 9-11. Sonate g-moll BWV1029


キース・ジャレットのクラシック/バロックというと、やはり18世紀ドイツの有名な作曲家であるバッハの作品が一番多いのですが、聴いていて一番しっくりくるのが、やはりバッハ。安定感と適度な哀愁がいい感じ。ここではヴィオラとのデュオで、バッハの室内楽は少ないと言われているそうで、けっこう貴重かも。ここではヴィオラを弾いています(たぶん問題ないと思う)が、古楽器ヴィオラ・ダ・ガンバとは、6弦楽器でフレット付きとのこと。

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