ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。

2018年05月

1567


Double Concerto/5th Symphony/Terje Rypdal(G)(ECM 1567) - Recorded June and August 1998. Ronni Le Tekro(G), Normunds Sne(Cond) and Riga Festival Orchestra - 1-4. Double Concerto (1-4) 5-8. 5th Symphony (1-4)


このアルバムの2曲ともテリエ・リピダルの作曲なので、これだけで驚きといえば驚き。1曲目はオーケストラと、元TNT(ハード・ロック・バンド?)のロニール・テクロ(G)も参加した壮大な?コンチェルト。場面によっては美しいメロディの、また場面によっては壮絶なディストローションの効いた2人のエレキギターがオーケストラと同化し、時には激しく対立して いて、不思議なサウンドの調和を生み出しています。スケールの大きいゆったりとしたプログレとでも言えそうな雰囲気ですが、当然の事ながらクラシック色はけっこう強め。2曲目は作曲家に徹していてギターでの参加はありませんが、こちらの方は完全にクラシックの作品かも。 それはそれで完成度は高いです。そのサウンドは複雑な色合いを持っています。(00年6月1日発売)

1565


Wolfgang Amadeus Mozart/Piano Concertos K.467, 488 & 595, etc./Keith Jarrett(P), Dennis Russell Davies(Cond),Stuttgarter Kammerorchester(ECM New Series 1565/66) - Recorded November 1994 and January 1995. - 1-3. Concerto For Piano And Orchestra No.23 In A Major, K488 4-6. Concerto For Piano And Orchestra No.27 In B Flat Major, K595 7. Masonic Funeral Music In C Minor, K477(479a) 8-10. Concerto For Piano And Orchestra No.21 In C Major, K467 11-14. Symphony No. 40 In G Minor, K550


モーツァルトは18世紀オーストリアの有名な作曲家。キース・ジャレットの演奏も、正攻法のクラシックでとうとうモーツァルトのピアノ協奏曲や交響曲が出てきてしまいました。もちろんシュトゥットガルト室内管弦楽団(デニス・ラッセル・デイヴィス指揮)との演奏で、当然ながら本格的です。このあたりから、正統派のクラシックがECMで増えてくるようになったのでは。クラシック専門の方には異論もあるのかもですけど、正統派に聴こえます。

1564


Robyn Schulkowsky(Per)/Nils Petter Molvaer(Tp)/Hastening Westward(ECM New Series 1564)(輸入盤) - Recorded January 1995. - 1-3. Pier And Ocean 4-10. Hastening Westward


(04/02/23)2人もしくはRobyn Schulkowsky(3、5、8曲目のソロ曲)による作曲ですが、ジャズ的ではないにしてもフリー・インプロヴィゼーションととらえた方がいい世界が広がります。パーカッションはデュオの時は時間軸に沿って増幅と縮小を繰り返していている場面が多いです(6曲目は元気)。でもソロ曲の方は空間に斬り込んでいく部分も。トランペットも自由に飛翔しますがスペイシー。レーベルの中のボーダーラインにある作品。

1563


Lost And Found/Ralph Towner(G)(ECM 1563) - Recorded May 1995. Denney Goodhew(Ss, Ts, Bcl), Marc Johnson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Harbinger 2. Trill Ride 3. Elan Vital 4. Summer's End 5. Col Lengo 6. Soft Landing 7. Flying Cows 8. Mon Enfant 9. A Breath Away 10. Scremshaw 11. Midnight Blue... Red Shift 12. Moonless 13. Sco Cone 14. Tattler 15. Taxi's Waiting


ラルフ・タウナーの作曲は全15曲中7曲。他にメンバーの作曲や共演のフリー・インプロヴィゼーションもあります。ソロからクァルテットまでさまざまな編成で、比較的短い作品が連なっている印象。ギターが無階調でアグレッシヴな部分もありますが、ベース、サックス、ドラムが渋くからんでいきます(クァルテットは3、7、15曲目)。7曲目はジャズ的な4ビートが基調。もちろんいつものソロ・ギター (1、8-10、14曲目)もあります。8曲目は作曲者不詳。5、13曲目はベース・ソロ。4、11曲目のサックスは印象的なメロディを奏でています。ベースとギターのフリー・インプロヴィゼーション(2曲目)は時にアグレッシヴなアプローチ。12曲目は曲としてのまとまりも。ドラムレスのトリオでの6曲目は、ECM的なサウンドのフリーです。

1562


Homecoming/Gateway(ECM 1562) - Recorded December 1994. John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds, P) - 1. Homecoming 2. Waltz New 3. Modern Times 4. Calypso Falto 5. Short Cut 6. How's Never 7. In Your Arms 8. 7th D 9. Oneness


3人が曲を持ち寄って17年ぶりのこのメンバーによる録音です。デイヴ・ホランドが4曲(1、3、6-7曲目)、ジョン・アバークロンビーが3曲(2、4-5曲目)、ジャック・ディジョネットが2曲(8-9曲目)作曲。けっこう自由なフォーマットで、濃密な演奏。再演ながらリズミカルで勢いもあってメロディアスでもある1曲目、深い哀愁の色を持っているワルツの2曲目、5拍子系サンバとでも言うべきノリの良い3曲目、タイトルどおりに明るいカリプソが熱帯を感じる4曲目、明るいメロディでウキウキするようなリズムの5曲目、変拍子ロック的な展開がカッコよさをもたらす6曲目、しっとりと静かなバラードを聴かせる7曲目、浮遊感があるテーマながらジャジーなノリもある8曲目、ディジョネットがピアノに持ち替えて叙情的な哀愁を示す9曲目。

1561


Khomsa/Anouar Brahem(Oud)(ECM 1561) - Recorded September 1994. Richard Galliano(Accordion), Francois Countuier(P, Synth), Jean Marc Larche(Ss), Bechief Selmi(Vln), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Comme Un Depart 2. L'infini Jour 3. Souffle En Vent De Sable 4. Regard De Mouette 5. Sur' L'infini Bleu 6. Claquent Les Voiles 7. Vague 8. E La Nave Va 9. Ain Ghazel 10. Khomsa 11. Seule 12. Nouvelle Vague 13. En Robe D'olivier 14. Des Rayons Et Des Ombres 15. Un Sentier D'aliance 16. Comme Un Absence


ウードあり、アコーディオンあり、ヴァイオリンありと、中近東とフレンチと北欧のごった煮的アルバム。ほとんどの曲を書いている作曲家としてのアヌアル・ブラヒムが焦点で、ソロやデュオの曲も多く、彼の曲を他のミュージシャンが演奏をしているものもあります。1曲目はリシャール・ガリアーノの曲で哀愁と綾織り系の変化に富んだアコーディオンが特徴。3、14曲目は参加メンバーのフリー・インプロヴィゼーションで、特に3曲目は10分台もの曲。アヴァンギャルドな部分も。個人的には2、13曲目のようなウードのソロが中近東的哀愁があって好み。5曲目はアコーディオンとの、6曲目はベースとのデュオなどいろいろなフォーマットです。比較的大編成で彼の音世界を作るタイトル曲の10曲目。沈んだ哀愁はだいたいの曲に。

1560


Khmer/Nils Petter Molvaer(Tp, G, Per, Samples)(ECM 1560) - Recorded 1996-1997. Eivind Aarset(G, etc.), Morten Molster(G), Roger Ludvigsen(G, Per, etc.), Rune Arnesen(Ds), Ulf W. O. Holand(Samples), Reidar Skar(Sound Treatment) - 1. Khmer 2. Tlon 3. Access/Song Of Sand 1 4. On Stream 5. Platonic Years 6. Phum 7. Song Of Sand 2 8. Exit


全曲ニルス・ペッター・モルヴェルの作曲(サンプル除く)。何となく晩年のマイルス・デイヴィスを思わせる打込みサウンドとその中を漂うトランペット。カッコいい。ECMとしては異色かもしれませんし、ポップ性もある程度あります。帯のジャンルは 「dub/アブストラクト」。エキゾチックな雰囲気のトランペットとサウンドで異国の地へ誘うタイトル曲の1曲目、打ち込み性の強いビートに乗ってその上を哀愁漂うトランペットが舞う2曲目、ミディアムでギターの演奏もハマッている重めの3曲目、民族的なリズムをバックに淡々と吹く4曲目、哀しみのメロディと定型ビートが印象的な5曲目、静かな中をメロディがゆったりと動く6曲目、サウンド的には3曲目の続きをいくやはり重めの7曲目、静かですがやはりエキゾチックに終わる8曲目。


1560m


Khmer - The Remixes/Nils Petter Molvaer(Tp, G, Per, Samples)(ECM 1560/M)(輸入盤) - Recorded 1996-1997. - 1. Song of Sand (Single Edit), 2. Platonic Years (DJ Fjord Mix By The Herbaliser), 3. Tlon (Dance Mix By Mental Overdrive), 4. Song Of Sand 2 (Coastal Warning Mix By Rockers Hi-Fi)


(18/05/01)「Khmer」のリミックスヴァージョン。収録時間は20分弱で、CDシングル(12センチ)のケース。1曲目はそのまま本アルバムのものをシングル用に4分弱に縮めたもののようで、まあ、ファンク的になっていてDJ用に長すぎないように編集したものだと思われます。2曲目以降がDJによるミックス(2曲目)だったり、ミックスのし直しだったり。ECMとしてはこういう音楽は珍しいと思うのですが、時代の流れで一度は試してみたかったんだと思います。確かにDJには重宝されるようなミックスの仕方ですが、ECM本道のファンからすれば、ああ、こういうこともやってみたのだな、というぐらいで、「Khmer」を持っていれば十分ではないかなあ、と思います。本道にはなりえなかったけれども、常に新しいことを試みています。


1560l


Ligotage/Nils Petter Molvaer(Tp)(ECM 1560/L)(輸入盤)- Recorded 1996-1997. Eivind Aarset(G, etc.), Reidar Skar(Key), Audun Erlien(B), Rune Arnesen(Ds), w/D.J. Strangefruit - 1. Ligotage 2. Song Of Sand (Remix By Mother Nature's Cloud & Shower Show) 3. On Stream


(18/05/07)「Khmer」の、もう一つのCDシングル(12センチ)で、ここでは1曲目が本体にはない別な曲(クレジットは1曲目用のものを掲載しています)、2曲目がリミックスヴァージョン、3曲目がCDからの曲になっています。収録時間は17分台。CDシングルとしてはこちらの方が出回っている枚数が少ないような気もします。1曲目はやはり新曲とはいうものの、緩いファンクにのせてゆったりとしたトランペットのメロディを朗々と吹いていて、いわゆる本編アルバムと同じようなDJ向きの曲ではないかなあ、という気もしています。ほんの少しマイルスが当時だったら、というような印象もありますけど、個人的な興味とすれば、やはり「Khmer」があれば十分なような気も。ただ、こういう冒険的な方向も一時的にでもあったということで。

1559


Small Labyrinths/Marilyn Mazur's(Per) Future Song(ECM 1559)(輸入盤) - Recorded August 1994. Aina Kemanis(Voice), Hans Ulrik(Sax), Nils Petter Molvaer(Tp), Eivind Aarset(G), Elvira Plenar(P), Klavs Hovman(B), Audun Kleive(Ds) - 1. A World Of Gates 2. Drum Tunnel 3. The Electric Cave 4. The Dreamcatcher 5. Visions In The Wood 6. Back to Dreamfog Mountain 7. Creature Talk 8. See There 9. Valley Of Fragments 10. Enchanted Place 11. Castle Of Air 12. The Holey


(03/09/28)Marilyn Mazurの作曲が6曲、数名での作曲が4曲、グループ名義が2曲。小品はフリー・インプロヴィゼーションの曲が多いようです。出だしの2曲は、抑制の効いたパーカッシヴなサウンド。ところが、ギターとトランペットが加わる小品の3曲目は暴力的な雰囲気。曲としてまとまっていて哀愁と浮遊感が漂い、ヴォイスが心地良く感じる4曲目、かなり自由なファンクの要素を持って、さまざまなパートが舞っている5曲目、繰り返し包み込むようなフレーズにのるヴォイスの6曲目、ゆったりとヴォイスが入ってくるややしっとり系の8曲目、多国籍的なエキゾチックさがありながら流れ、後半フリーに盛り上がる10曲目、パーカッションをバックに淡々と歌い上げる11曲目、スローテンポながらもハードなサウンドの12曲目。

1558


Dancing With Nature Spirits/Jack DeJohnette(Ds, Per)(ECM 1558) - Recorded May 1995. Michael Cain(P, Key), Steve Gorn(Bansuri-fl, Ss, Cl) - 1. Dancing With Nature Spirits 2. Anatolia 3. Healing Song For Mother Earth 4. Emanations 5. Time Warps


ジャック・ディジョネット が久々にECMに戻ってきました。ここでは合作(フリー・インプロヴィゼーション)または参加メンバーに作曲を任せています。いきなり最初から民族音楽ともフリー・インプロヴィゼーションともとれる曲。スペイシーな中に土着的なフルートの音がゆったりと鳴り響 き、ピアノも民族的なエキゾチックさをたたえつつ少ない音数から、3人で盛り上がっていく20分台のタイトル曲の1曲目、スティーヴ・ゴーン作の、エスニックかつ幽玄に音が漂っていく12分台の2曲目、タイトルのようにヒーリングと、緊張感を感じる部分もあって後半盛り上がる22分台の3曲目、浮遊感がありつつもはっきりしたメロディのテーマを持つ4曲目、唯一ポップな(?)テーマやメロディの、爽やかさを少し感じつつ進んでいく5曲目。

1557


All My Relations/Charles Lloyd(Sax, Fl, Oboe)(ECM 1557) - Recorded July 1994. Bobo Stenson(P), Anders Jormin(B), Billy Hart(Ds) - 1. Piercing The Veil 2. Little Peace 3. Thelonious Theonlyus 4. Cape To Cairo Suite (Hommage To Mandela) 5. Evanstide, Where Lotus Bloom 6. All My Relations 7. Hymne To The Mother 8. Milarepa


全曲チャールス・ロイドの作曲。ECMの中では、普通のジャズに近い部類かも。純粋ではないにしても4ビートの部分もあって、ああジャズだと思う、ホーンが活躍するテンポの良い曲の1曲目、フルートでスピリチュアルな曲の雰囲気を表わしている2曲目、セロニアス・モンク風味のある曲調が楽しい、ややアップテンポのラテンノリで明るめな3曲目、ベース・ソロではじまり、スピリチュアルかと思ったら途中で優雅なサウンドがドラマチックに展開していく15分台の4曲目、前半はピアノでしっとりから盛り上がり、後半はサックスで変化に富む5曲目、ドラムスと明るめのサックスの長いデュオではじまり4人になるタイトル曲の6曲目、温かみのある大地のようなサウンドのバラードの7曲目、エキゾチックな2分弱のソロの8曲目。

(注)Quartets/Charles Lloyd(Ts, Fl, Chinese Oboe, Tibetan Oboe)(ECM2316-20)で5枚組BOXとして、’13年に再発。

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