ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2018年12月

1791


Unam Ceylum/Heinrich Ignaz Franz Biber(ECM New Series 1791)(輸入盤) - Recorded May 2001. John Holloway(Vln), Aloysia Assenbaum(Org), Lars Ulrik Mortensen(Harpsichord) - 1. Sonata 3 F Major 2. Sonata 4 D Major 3. Sonata No.81 A Major 4. Sonata 6 C Minor 5. Sonata 7 G Major 6. Sonata No.84 E Major


(03/02/23)17世紀のヴァイオリニストHeinrich Ignaz Franz Biberの作品。3曲目と6曲目は当時発表されなかったものらしいです。当時のバロック音楽というのか、メジャーの曲は柔らかでほのぼのとした、そして唯一マイナーな4曲目は哀愁が漂っている(とはいうもののメジャーな部分もありますが)、親しみやすいメロディの中に時々ドラマがある曲が多いです。オーソドックスで聴きやすいアルバム かもしれません。

1790


Metamusik/Postludium/Valentin Silvestrov(ECM New Series 1790) - Recorded April, 2001. Alexei Lubimov(P), Radio Symphonieorchester Wien, Dennis Russell Davies(Cond) - 1. Metamusik (Symphony For Piano And Orchestra) 2. Postludium (Symphonic Poem For Piano And Orchestra)


ヴァレンティン・シルヴェストロフは20世紀のウクライナの作曲家。’92年作曲の交響曲と’84年作曲の交響詩の演奏。1曲目の交響曲は初録音とのことです。やはり現代音楽的に、難解とはいかないまでも聴いていて不安感のあるハーモニー、旋律が続きますが、曲やピアノが叙情的に感じられる気もします。2曲目は前半のダイナミックレンジが広いです。 これも現代的ですが感触的には1曲目と同じような色調があります。(03年7月23日発売)

1789


Schwankungen Am Rand/Helmut Lachenmann(ECM New Series 1789)(輸入盤) - Recorded November 1994 and November 1998. Peter Eotvos(Director), Ensemble Modern Orchestra - 1. Schwankungen Am Rand 2. Mouvement (-Vor Der Erstarrung) 3. "...Zwei Gefuhle...", Musik Mit Leonardo


(03/02/28)Helmut Lachenmann作の現代音楽で、かなり前衛的な音を発しています。オーケストラからはメロディらしいメロディが出てこず、どうやって音を出しているのか、効果音的な音の連続。タイトル曲は「変動(不安定)の限界」とでも訳すのでしょうか、本当にそんな感じ。やはり不安定な音の連続で、難解とはいえスリリング。ただ、静かな場面が多いです。2曲目は後半盛り上がり型で、3曲目はヴォイスも絡みます。

1788


Soul Of Things/Tomasz Stanko(Tp) Quartet(ECM 1788) - Recorded August 2001. Marcin Wasilewski(P), Slawomir Kurkiewicz(B), Michal Miskiewicz(Ds) - 1. 1 2. 2 3. 3 4. 4 5. 5 6. 6 7. 7 8. 8 9. 9 10. 10 11. 11 12. 12 13. 13


全曲トーマス・スタンコのオリジナル。曲名も1-13と番号のみなので、全編フリー・インプロヴィゼーションかと思っていたら、スローでスペイシーながらも叙情的で哀愁漂う曲調の曲が多いです。それにトランペットがまた哀愁があって、何を吹いても彼の路線になります。1曲目を聴いただけで、彼の世界にハマッていく感じ。2曲目あたりはオーソドックスな4ビートにも多少近寄って色気を見せています。3、10曲目はテンポも速めで、このレーベルでは珍しく、これぞジャズといった4ビート路線に。5曲目もややジャズ寄り(?)。ただ、やっぱり温度感が低いながらも味わいのあるスローの曲が多いです。不思議と色調は統一された感じなので、通しで 全体の流れを聴くアルバムなのかな、と思います。(02年6月21日発売)

1787


In Touch/Yves Robert(Tb)(ECM 1787)(輸入盤) - Recorded March 2001. Vincent Courtois(Cello), Cyril Atef(Ds) - 1. In Touch 2. Let's Lay Down 3. La Tendresse 4. In Touch Var. 1 5. L'air D'y Toucher 6. Basculement Du Desir 7. L'attente Reste 8. In Touch Var. 2


(03/03/07)2曲目のみドラムスCyril Atefの作曲で、他はYves Robertのオリジナル。そして、静かでインタールード的な小品(1、4、7-8曲目)と、通常あるいは比較的長めの曲の組み合わせ。特異な編成のせいか、やはりスペイシーでヨーロッパの暗さをあわせ持ったような 曲が多め。2曲目は薄暗いながらも中盤戦はややリズミカルでメロディアスな展開。16分台の いくつかの曲が組み合わさったような3曲目は、インプロヴィゼーションとアンサンブルが、時に静かに、ときに三位一体となって進んでいきます。一見バラバラのフレーズを奏でるようでいて、ややドラマ性のあるインプロヴィゼーションが展開される5曲目、前半は闇の奥底から音が発せられるようで、後半徐々に盛り上がっていく6曲目。

1786


Solo In Mondsee/Paul Bley(P)(ECM 1786)(輸入盤) - Recorded April 2001. - 1-10. 1-10


(07/06/18)彼のこのレーベルならではの音数の少なさや硬質な響きは少し影をひそめ、音数の少ない部分もありながら饒舌な部分も目立ちます。ある程度変化にも富んでいます。よりメロディアスに、まるで既成の曲を演奏しているかのような聴きやすいサウンドの場面は前半に多いです。もちろんフリーのアプローチもありますけれど。それほど過激でないですが、時に緊張感をもたらすような、現代音楽的なフレーズも。タイトルからして完全にフリー・インプロヴィゼーションのようですが、少しは聴きやすいアルバムに仕上がっているとは思います。逆にここがプロデュースとの相性の関係で、録音から発売まで長くかかってしまったのかもしれませんが。即興の部分は彼ならではで、ポール・ブレイはやっぱりポール・ブレイです。 (07年6月20日発売)

1785


Skirting The River Road/Robin Williamson(Vo, Harp, G, Whistles)(ECM 1785)(輸入盤) - Recorded March and April 2001. Mat mameri(Viola, Vln), Paul Dunmall(Ts, Ss, Cl, Border Pipes, Ocarina, Maxeno), Ale Moller(Mandola, Lute, Hammered Dulcimer, Shawn, Clarino, Drone Fl, Natural Fl, Vib), Mivck Hutton(B) - 1. 1. The Morning Watch/A Song Of Joys 2. Here To Burn 3. The Four Points Are Thus Beheld 4. Infant Joy 5. Dalliance Of Eagles 6. Abstinence Sows Sand 7. The Journey 8. The Terrible Doubt/The Price Of Experience 9. West From California's Shores 10. Shepherd's Tune 11. The Map With No North 12. The Spider 13. The Fly 14. Crossing Brooklyn Ferry 15. The World Of Light


(03/03/06)ECMでは珍しく、フォーク・シンガー(と思う)のヴォーカルアルバムなのですが、そのサウンドやアレンジはECMらしく幻想的、神秘的、かつエキゾチックなイメージの曲が多いです。曲によってマット・マネリやアレ・メッレルが参加しているので、そのあたりの影響かも。曲はロビン・ウィリアムソン単独での作曲か 参加メンバーの共作のものがほとんどで、ラストの曲はトラディショナル。2、9曲目あたりはカントリーの雰囲気を漂わせ、この辺が彼の地での表現なのでは、と思わせます。1曲目後半や3 、11曲目のように音楽をバックに語りの入る曲も。淡々とした語り口と、無国籍的なワールドのサウンドが印象的。 14曲目は何と16分台の大作ですが、やはり物語を音楽をバックに語っている、ドラマ性のある曲。

1784


Hyperion with Higgins/Charles Lloyd(Ts)(ECM 1784) - Recorded December 1999. Billy Higgins(Ds, Per), John Abercrombie(G), Larry Grenadier(B), Brad Mehldau(P) - 1. Dancing Waters, Big Sur To Bahia 2. Bharati 3. Secret Life Of The Forbidden City 4. Miss Jessye 5. Hyperion With Higgins 6. Darkness On The Delta Suite 7. Dervish On The Glory B 8. The Caravan Moves On


前作「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」と同じ時の録音で、その後亡くなったビリー・ヒギンズに捧げられたアルバム。全曲チャールス・ロイドのオリジナル。1曲目はサブタイトルに(フォー・ジルベルト・アンド・カエターノ)とありますが、ボッサ色というよりはしっとり感のある哀愁路線かも。サックスやピアノが心地良いゆったりめのリズムの上を舞う2曲目、テーマ部はともかく、穏やかながら4ビートが基調のジャズを演奏している3曲目、3連系の4ビートの部分もある4曲目、ECMでは珍しく熱い系統のジャズの5曲目、ドラマチックに展開する12分台の組曲の6曲目、陽気なテーマとアドリブの7曲目、ドラムスのタムタムが印象的な8曲目。前作よりは元気なサウンドで、やはりヒギンズが目立 っているようです。(01年8月22日発売)

1782


Toshio Hosokawa/J.S. Bach/Isang Yun/Thomas Demenga(Cello)(ECM New Series 1782/83) - Recorded July 1985, December 1998 and November 2000. Asako Urushihara(Vln), Teodoro Anzellotti(Accordion), Aurele Nicolet(Fl), Heinz Holliger(Oboe), Hansheinz Schneeberger(Vln), Thomas Larcher(P) - Toshio Hosokawa 1. In Die Tiefe Der Zeit 2. Dur Fur Violine Und Violoncello 3. Winter Bird J.S. Bach 5-9. Suite Nr.5 IN C-moll Fur Violoncello Solo(BWV 1011) 10-15. Suite Nr.6 In D-dur Fur Violoncello Solo(BWV 1012) Isang Yun 16. Gasa 17. Escape 1 18. Images


現代音楽家の細川俊夫、イサン・ユンの作品と、バッハの無伴奏チェロ組曲の作品2つとを組み合わせたCD2枚組のアルバム。前者は現代的な、内省的な複雑な曲想を持った曲で、楽器編成もソロ、デュオ、もっと大勢の人の演奏と、曲によってさまざまです。バッハの曲はやはりバッハらしい素直で深みのある印象ですが、両者のカップリングでアルバムのやりたいことが浮かび上がってくるような気がします。(02年9月25日発売)

1781


Odradek/Gideon Lewensohn(ECM New Series 1781)(輸入盤) - Recorded July 1997 and February 2001. Alexander Lonquich(P), Auryn Quartett - Matthias Lingenfelder(Vln), Jens Oppermann(Vln), Stewart Eaton(Viola), Andreas Arndt(Cello), Ora Rotem Nelken(P) - 1-5. Piano Quintet 6. Prelude For Piano 7-23. Odarek Quartet 24. Postlude for Piano


(03/02/23)現代音楽家のGideon Lewensohnのピアノと弦楽四重奏のための作品(1-5曲目)。やはり現代音楽家らしく、複雑かつ硬質な色合いのメロディとハーモニーで迫ってきて、難しめかつ思索的、ややドラマチックな印象。6、24曲目はピアノでのスペイシーなソロの曲で、それぞれ違うピアニストによるヴァージョン違い。7-23曲目の弦楽四重奏でのタイトル曲は、17の短めな断片の曲から成り立っています。こちらも思索的。

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