ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。

2019年03月

1918


Northbound/Iro Haarla(P, Harp)(ECM 1918) - Recorded September 2004. Trygve Seim(Sax), Mathias Eick(Tp), Uffe Krokfors(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Avian Kinddom 2. Barcarole 3. With Thanksgiving 4. Time For Recollection 5. Waterworn Rocks 7. Veil Of Mist 8. Light In The Sadness 9. A Singing Water Nymph 10. Yarra, Yarra... 11. Northbound...


全11曲中、共作が2曲(インプロヴィゼーションか)の他はイロ・ハールラの作曲。ハープとピアノの掛け持ちで、しっとり北欧バラード系の異世界。ハープとホーンのまったりとした世界から自由な5人での演奏になる1曲目、スローではっきりしたテーマのメロディやソロが聴ける2曲目、静かに語りかけてくる10分台の3曲目、薄暮の中でフレーズが霧とともに舞うような4曲目、ホーンはアンサンブルを保ちつつ中盤でやや緊張感のあるフリー・サウンドの5曲目、ちょっとシリアスでも静かに進む6曲目、ベース以外の4人でのインプロヴィゼーションの7曲目、淡々とメロディが紡ぎ出される8曲目、ハープとサックスで語り合う9曲目、淡色系の空間が広がる10曲目、マイナー系でやや鋭く冷たい感じのタイトル曲の11曲目。(05年9月14日発売)

1917


Garden Of Eden/Paul Motian(Ds) Band(ECM 1917) - Recorded November 2004. Chris Cheek(Ts), Tony Malaby(Ts, As), Steve Cardenas(G), Ben Monder(G), Jakob Bro(G), Jerome Harris(B) - 1. Pithecanthropus Erectus 2. Goodbye Pork Pie Hat 3. Etude 4. Mesmer 5. Mumbo Jumbo 6. Desert Dream 7. Balata 8. Bill 9. Endless 10. Prelude 2 Narcissus 11. Garden Of Eden 12. Manhattan Melodrama 13. Evidence 14. Cheryl


エレクトリック・ビバップ・バンドですが、ここはこの名称を使用せず。メンバーも変更がありました。編成はやはり独特。ポール・モチアン作は全14曲中7曲。1-2曲目がチャールズ・ミンガス作で、特に1曲目の「直立猿人」は独特ながら4ビートで攻めているのは珍しいかも。2曲目も原曲の雰囲気は強いです。自作曲になると流れていくようなバラードタイプの曲や、スコンスコンとスネアがなりながら軽めに、しかもやや混沌として進んでいく曲が多く、やはり彼の本質はこちら方面なのかなと思わせます。ビートだかフリーだか分からないベースの音列の曲があって、特徴的。エキゾチックな6曲目も同傾向か。8曲目のスタンダードもマイ・ペースのバラード。そして13-14曲目はセロニアス・モンク作とチャーリー・パーカー作。(06年3月15日発売)

1915


Le Voyage De Sahar/Anouar Brahem(Oud)(ECM 1915) - Recorded February 2005. Francois Couturier(P), Jean-Louis Matinier(Accordion) - 1. Sur Le Fleuve 2. Le Voyage De Sahar 3. L'aube 4. Vague/E La Nave Va 5. Les Jardins De Ziryab 6. Nuba 7. La Chambre 8. Cordoba 9. Halfaouine 10. La Chambre, Var. 11. Zarabanda 12. Ete Andalous 13. Vague, Var.


邦題「サハールの旅」。全曲アヌアル・ブラヒムの作曲。楽器編成がフレンチ寄りで特殊なトリオということもありますが、エスニックとフレンチが混ざるやや薄暗い世界が展開しています。ややエスニックが勝っている感じ。淡々とした曲が多く、そのエスノチックな1曲目の出だしから、異国の地にての映画の音楽を想起させるような、不思議な感覚が漂います。哀愁の非常に強いメロディラインを持っているタイトル曲の2曲目が方向を決定付けているような気も。その後も濃淡をつけながら薄暮の世界は変わらずに、ゆっくりと淡々とした味付けで進んでいきます。そんな中で5、11曲目はやや明るいといえば明るめか。ちなみに7曲目の変奏曲が10曲目、4曲目前半の変奏曲が13曲目。通して聴くタイプのアルバムと思います。(06年4月19日発売)

1914


Chonguri/Thomas Demenga(Cello)(ECM New Series 1914)(輸入盤) - Recorded August 2004. Thomas Larcher(P), Teodoro Anzellotti(Accordion) - Sulkhan Tsintsadze: 1. Chonguri Johann Sebastian Bach: 2. Das Alte Jahr Vergangen Ist 3. Harr Gott, Nun Schleuss' Den Himmel Auf Gasper Cassado: 4. Dense Du Diable Vert Frederic Chopin: 5. Nocturne In C-sharp Minor Op. Post. Gabriel Faure: 6. Romance Anton Webern: 7-9. Drei Kleine Stucke 10-11. Zwei Stucke Johann Sebastian Bach: 12. Ich Ruf' Zu Dir, Herr Jesu Christ Gabriel Faure: 13. Apres Un Reve Frederic Chopin: Nocturne In E-flat Major Op. 9/2 Franz Liszt: 15. La Lugubre Gondola Thomas Demenga: 16. Eine Kleine Erregung (Uber Berg Und Bach) Johann Sebastian Bach: 17. Meine Seele Erhebet Den Herrn Gabriel Faure: 18. Berceuse Darius Milhaud: 19. Vocalise^etude Pour Voix Elevees Thomas Demenga: 20. New York Honk


(06/08/12) 18世紀のバッハから19世紀のいろいろな作曲家の小品、そしてタイトル曲となる20世紀のSulkhan Tsintsadze作他、トーマス・デメンガ自身の作曲と多彩な小品集になっています。全20曲中7曲にはアレンジが加わっていて、この編成で演奏できるようにしたものなのでしょうか。それぞれの時代の特徴は出ていますが、親しみやすいのはバッハ、ショパン、フォーレ、リストなどの有名人の曲。不思議な取り合わせの作品。

1913


Passing Images/Frode Haltli(Accordion)(ECM 1913)(輸入盤) - Recorded December 2004. Arve Henriksen(Tp), Garth Knox(Viola), Maja Solveig Kjelstrup Ratkje(Voice) - 1. Psalm 2. Inter 3. The Letter 4. Lude 5. Vandring 6. Pre 7. Jag Haver Ingen Karare 8. Lyrisk Vals 9. Passing Images 10. Vals


(07/03/06)参加メンバーのインプロヴィゼーションやトラディショナルもありますが、半分強はFrode Haltliの作曲(1、3、5-6、8、10曲目)。参加メンバーに低音楽器やパーカッション関係がなく、クラシックのようにゆるゆると切ない哀愁のある北欧的なサウンドが続きます。東洋的な感触も少し。2、4曲目では楽器を叩く音があるけれども、あとは総じて、音的に高めの部分が静寂の中を流れていく感じの、ちょっと間違えればヒーリング・ミュージックか、それよりは硬質な世界が漂っています。どの曲がどうかというよりは、流れにまかせて各曲のサウンドカラーの微妙な違いを楽しんだり、聴き流したりしていくのがいいのかも。それでも4曲目はけっこうアヴァンギャルドな世界。タイトル曲の9曲目もスペイシーでミステリアス。

1912


Honegger/Martinu/Bach/Pintscher/Ravel/Frank Peter Zimmermann(Vln)/Heinrich Schiff(Cello)(ECM New Series 1912)(輸入盤) - Recorded August 2004 and January 2005. - 1-3. Auther Honegger: Sonatine 4 For Violin And Violoncello In E Minor 4-5. Bohuslav Martinu: Duo For Violin And Violoncello No.1, H.157 6. Johann Sebastian Bach: Canon Alla Duodecima In Contrapunto Alla Quinta 7. Matthias Pintscher: Study 1 For "Treatise On The Veil" 8. Johann Sebastian Bach: Canon In Hypodiapason (Canonn Alla Ottava) 9-12. Maurice Ravel: Sonata For Violin And Violoncello


(06/10/07)18世紀のバッハから21世紀のMatthias Pintscherの作品まで、ヴァイオリンとチェロの曲を集めて演奏したもの。他に20世紀前半ではAuther Honegger、Bohuslav Martinu、Maurice Ravelの曲があり、この頃の作品はまだある程度聴きやすい面があります。バロックからクラシックを経て、現代音楽に近づきつつある構図も読み取る事ができます。個人的にはバッハが一番落ち着いて聴け、Pintscherはやはり現代音楽。 (06年10月25日発売)

1911


Jumping The Creek/Charles Lloyd(Ts, As, Targato)(ECM 1911) - Recorded January 2004. Geri Allen(P), Robert Hurst(B), Eric Harland(Ds, Per) - 1. Ne Me Quitte Pas 2. Ken Katta Ma Om 3. Angel Oak Revisited 4. Canon Perdido 5. Jumping The Creek 6. The Sufi's Tears 7. Georgia Bright Suite 8. Come Sunday 9. Both Veils Must Go 10. Song Of The Inuit


全10曲中8曲はチャールス・ロイドの作曲。このメンバーでもおおむねECMサウンドに支配されます。沈むような、そして内面と向かい合っている13分台の1曲目、ドラムスの軽いジャブをバックにホーンが出てピアノが出て、と小手調べのような2曲目、大河の流れのようにゆっくりと動いていく3曲目、不思議な不安感からカッチリとしたリズムに発展する4曲目、ドラムスをバックに冷めたやり取りが聴かれるタイトル曲の5曲目、アルコのベースをバックに異世界に迷い込んだエキゾチックさの6曲目、自由なフォーマットながら4ビートになって13分台のジャズとして盛り上がっていく7曲目、しっとりと落ち着いた世界が広がる8曲目、ドラムスのみバックでサックスを聴かせる9曲目、自由にそして激しく燃え上がっていく10曲目。(05年4月21日発売)

1909


J.S. Bach/The Sonatas And Partitas/John Holloway(Baroque Vln)(ECM New Series 1909/10)(輸入盤) - Recorded July and September 2004. - 1-4. Sonata No.1 In G Minor BWV1001 5-12 Partita No.1 In B Minor BWV1002 13-16. Sonata No.2 In A Minor BWV1003 17-21. Partita No.2 In D Minor BWV1004 22-25. Sonata No.3 In C Major BWV1005 26-35. Partita No.3 In E Major BWV1006


(06/11/18)実はECM1926/27でGidon Kremerが全く同じ曲を演奏(あちらは普通のヴァイオリン)しているのですが、こちらの方がバロック・ヴァイオリンを使用していて温かみがある感じで、素朴ささえ忍ばせています。どちらも聴けばバッハの作品というのがすぐ分かるのですが、Kremerの作品の方が鬼気せまる感じや現代的な解釈を感じる部分もあります。優劣はつけがたいけれど、こちらの方が温度感の高さで気軽に聴ける雰囲気。

1908


Electra/Arild Andersen(B, Ds Prog)(ECM 1908) - Recorded 2002 - 2003. Eivind Aarset(G), Paolo Vinaccia(Ds, Per), Patrice Heral(Ds, Per, Voice), Nils Petter Molvaer(Ds Prog), Savina Yannatou(Vo), Chrysanthi Douzi(Vo), Elly-Marina Casdas(Cho), Fotini-Niki Grammenou(Cho) - 1. Birth Of The Universe 2. Mourn 3. The Big Lie 4. Chorus 1 5. Electra Song Intro 6. Electra Song 7. Electra Song Outro 8. Chorus 2 9. 7th Background 10. One Note 11. Whispers 12. Divine Command 13. Clytemnestra's Entrance 14. Loud Sound 15. Chorus 3 16. Opening 17. Chorus 4 18. Big Bang


全曲アリルド・アンデルセンの作曲。時間をかけて作りこまれた、ギリシャの作品「エレクトラ」の舞台音楽とのこと。スゴいメンバー。曲によって参加メンバーが異なります。エレクトロニクスも効果的に多用していますが自然の音の楽器とのバランスがうまくとれています。ギリシャチックでもあり、エキゾチックで幻想的な舞台が目の前に現れる感覚。古代を現代的な音で表現しようとするのが成功している感じ。全体的にはゆったりした感じですが、3、13、16(の一部)曲目ではビートの効いた曲があらわれます。9曲目もプログラミングと生のドラムスで。4、15、17曲目ではパーカッションのせいかインド的な雰囲気も。個人的にはサヴィーナ・ヤナトゥーが歌を歌っている4、6-8、15、17曲目あたりにギリシャ的な感傷を。(05年5月21日発売)

1907


Round About Weill/Gianluigi Trovesi(Piccolo, Acl), Gianni Coscia(Accordion)(ECM 1907)(輸入盤) - Recorded July 2004. - 1. Dov'e La Citta? 2. Ach, Bedenken Sie, Herr Jack O'Brien 3. Tango Ballade 4. Improvvisamente 5. Divagazioni Su "Youkali" 6. Mahagonny, Scene 6 7. Ein Taifun!...Tifone? No, Pioggerella! 8. Lieben 9. Boxen 10. Round About Weill 1/Denn Wie Man Sich Bettet, So Liegt Man 11. Mahagonny, Scene 13 12. Essen 13. Round About Weill 2 14. Tief In Alaskas Schneeweissen Waldern 15. Ach, Bedenken Sie, Herr Jack O'Brien, Var. 16. Mahagonny, Scene 4 17. Aber Dieses Ganze Mahagony 18. Alabama Song 19. Mahagonny, Scene 6, Var. 20. Alabama Song, Var. 21-22. Interludio "Ma Che Modi Sono...?: Cumparsita Maggiorata/Tristezze Di Fra'Martino 23. Denn Wie Man Sich Bettet, So Liegt Man, Var.


(05/03/30)このメンバーでECM2枚目のアルバム。ドイツ生まれで30代の時にフランスに移住したクルト・ワイルの作品と、それにアレンジを大きく加えた曲、全くのオリジナルが入り乱れて、クラリネットとアコーディオンのデュオの不思議なフレンチ感覚を持ったアルバム。比較的短めの曲が23曲詰まっています。その分各場面によるメロディを聴かせようという趣向かも。いわゆるジャズからはかなり離れてはいるけれども、ECM的な静かな背景に浮かび上がってくるデュオのメロディはなかなかにセンチメンタルで郷愁を誘うような演奏。同じ曲のものもあってVar.とついているのはその変奏曲(テイク違い)ということでしょう。4曲目のようにフリー・インプロヴィゼーション度が少し強い曲も混ざっていますが、ほとんどが穏やか。

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