ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2019年07月

2095

Landscapes/Toshio Hosokawa(ECM New Series 2095)(輸入盤) - Recorded October 2009. Mayumi Miyata(Sho), Munchener Kammerorchester, Alexander Liebreich(Cond) - 1. Landscape V 2. Ceremonial Dance 3. Sakura Fur Otto Tomek 4. Cloud And Light

(11/10/11)20世紀から21世紀にかけての日本の現代音楽家、細川俊夫の作品集。’93年から’08年にかけての作品の演奏。笙の宮田まゆみが参加。3曲目が笙のソロで、2曲目がオーケストラのみ、1、4曲目が共演。ECMで日本の音楽家のみが取り上げられるのは初めてです。笙は東洋的なサウンドというよりはオーケストラの中で幽玄にさまよっている感じ。静かな場面が長く続き、時にダイナミックに大きくなります。ECMならでは。

2093

Resonance/Manfred Schoof(Tp, Flh) Quintet(ECM 2093/94)(輸入盤) - This composition includes material from the albums "Scales", "Light Lines" and "Horisons". Recorded 1976, 1977 and 1979. Michel Pilz(Bcl), Jasper Van't Hof(P, Org), Rainer Bruninghaus(P, Synth), Gunter Lenz(B), Ralf-R Hubner(Ds) - (CD1) 1. Scales 2. Ostinato 3. For Marianne 4. Weep And Cry 5. Flowers All Over 6. Resonance 7. Old Ballad (CD2) 1. Source 2. Light Lines 3. Criterium 4. Lonesome Defender 5. Horizons 6. Hope 7. Sunset

(09/09/27)CD2枚組。JAPOレーベルの「Scales」(JAPO 60013)と「Light Lines」(JAPO 60019)から全曲、「Horisons」(JAPO 60030)から2曲カットされて収録。Manfred Schoofの作曲はCD1の4-5曲目、CD2の3-4曲目以外の全て。ピアノ関係はJasper Van't Hofがメインで、CD1の7曲目、CD2の4-6曲目のみRainer Bruninghausが担当。’70年代の傍系レーベルの音であっても、当時のECMの基調とするサウンドに通じるものがあって、クインテット編成ながら温度感の低い、なおかつ自由度の高めな、時に盛り上がりのあるサウンドが展開しています。グイグイくるフリージャズ的な曲も。リーダーのトランペットはクリアでやはりその自由なフレーズがなかなか素晴らしい。もう一人のフロントがバス・クラリネットなのも印象的。

2090

Life's Backward Glances - Solo And Quartet/Steve Kuhn(P)(ECM 2090-92)(輸入盤) - Motility: Recorded 1977. Steve Slagle(Ss, As, Fl), Harvie Swartz(B), Michael Smith(Ds) - 1. The Rain Forest 2. Oceans In The Sky 3. Catherine 4. Bittersweet Passages 5. Deep Tango 6. Motility/The Child Is Gone 7. A Dance For One 8. Places I've Never Been   Playground: Recorded July 1979. Sheila Jordan(Voice), Harvie Swartz(B), Bob Moses(Ds) - 1. Tomorrow's Son 2. Gentle Thoughts 3. Poem For No. 15   4. The Zoo 5. Deep Tango 6. Life's Backward Glance   Ecstacy: Recorded November 1974. - 1. Silver 2. Prelude In G 3. Ulla 4. Thoughts Of A Gentleman - The Saga Of Harrison Crabfeathers 5. Life's Backward Grance

(08/11/22)Ecstacy(ECM 1058)’74年、Motility(ECM 1094)’77年(未CD化)、Playground(ECM 1159)’79年(未CD化)を3枚組BOXで再発しました。Ecstacyは再CD化のため割愛します。タイトル曲は5曲目とPlaygroundの6曲目で、フリーで耽美なピアノです。Motilityは普通のクァルテット編成ですが、耽美的で美しい演奏と、活発で先鋭的な演奏、8ビート、サンバなどさまざま。後におなじみの2曲目もあり、アップテンポの4ビートの6曲目。このCDの3、8曲目のみハーヴィー・シュワルツ作曲、残りの曲は3枚ともにスティーヴ・キューン作曲。Playgroundはヴォイスもあるトリオで、厳かさやエキゾチックな感じもあり。繊細さはこのCDも少し強めですが、4ビートの部分も(2曲目後半)。Motilityにもある「Deep Tango」がここにも。

2089

One Dark Night I Left My Silent House/Marilyn Crispell(P, Soundboard, Per)/David Rothenberg(Bcl, Cl)(ECM 2089)(輸入盤) - Recorded March 2008. 1. Invocation 2. Tsering 3. The Hawk And The Mouse 4. Stay, Stray 5. What Birds Sing 6. Companion: Silence 7. Owl Moon 8. Still Life With Woodpeckers 9. Grosbeak 10. The Way Of Pure Sound 11. Motmot 12. Snow Suddenly Stopping Without Notice 13. Evocation

(10/05/31)全曲2人の作曲なので、フリー・インプロヴィゼーションを通しているのか。タイトルはついているけれども、連続した情景描写のような淡々とした音楽。ピアノとバス・クラリネット(クラリネット)という編成で、研ぎ澄まされたサウンドが繰り広げられています。聴く人にある程度の緊張感を強いる場面もあるかもしれませんが、ゆったりした感覚の時もあります。その語り合いが、ECMならではの、そしてまさに2人だけの世界を繰り広げています。またピアノだけではなくて、サウンドボードやパーカッションとのやり取りは少し活発になって、これらの曲はある程度の躍動感も出てきます。全開とまではいかなくても、5、9、11曲目のようにいかにもフリーのような曲も。7曲目など作曲されたようなメランコリックな曲もありますが。

2088

Diminuito/Rolf Lislevand(Lutes, Vihuela De Mano)(ECM New Series 2088)(輸入盤) - Recorded October 2007 and May 2008. Linn Andrea Fuglseth(Voice), Anna Maria Friman(Voice), Giovanna Pessi(Triple Harp), Marco Ambrosini(Nycklharpa), Thor-Harald Johnsen(Chitarra Battente, Vihuela De Mano, Lutes), Michael Behringer(Clavichord, Org), Bjorn Kjellemyr(Colascione), David Mayoral(Per) - 1. Ricercata Prima 2. Saltarello 3. Piva 4. Petit Jacquet - Quinta Pars 5. La Perra Mora 6. Susanne Un Jour - Recercada Settima 7. Canon - La Spagna - Passamezzo Gaillard - Recercada Segunda 8. Fantasia Que Contrahaze La Harpa En La Manera De Ludovico 9. Vestiva Colli - Recercada Quinta 10. Tourdion

(09/11/13)16世紀の作曲家の古楽、あるいは作曲者不詳の曲をRolf Lislevandがアレンジをして、古楽器で聴かせています。当時の音楽をそのまま聴かせるような楽譜は残っていないと思われるので、言わば再現なのですが、なかなか雰囲気は出ています。奏法には詳しくないですが、現代的味付けやフレーズも場面によってはあるように思われます。ちょっとエキゾチックで、速いパッセージもあったりと、なかなか新鮮に聴けるサウンド。

2087

Far Side/Roscoe Michell(Sax, Fl) And The Note Factory(ECM 2087)(輸入盤) - Recorded March 17, 2007. Corey Wilkes(Tp, Flh), Craig Taborn(P), Vijay Iyer(P), Jaribu Shahid(B), Harrison Bankhead(B, Cello), Tani Tabbal(Ds), Vincent Davis(Ds) - 1. Far Side / Cards / Far Side 2. Quintet 2007 A For Night 3. Trio Four For Eight 4. Ex Flover Five

(10/10/13)ライヴ。全曲ロスコー・ミッチェルの作曲。かなりフリーに近い作品だし、スティーヴ・レイクのアルバム・プロデュースが入っているので、ECMとしてはけっこう硬派。基本は2ピアノ、2ベース、2ドラムスのようです。1曲目は31分ほどあって、出だしの部分が流れていくような静かなフリー、そして、訥々とした内省的なフレーズが静かな中に続いていき、中盤以降ギャロンギャロンと延々と盛り上がりがあって、これでもか、とフリーで攻めていきます。間合いのある唐突なテーマから、静かで重厚なやり取りが続いて徐々に盛り上がる2曲目、語りあいのフレーズが続いていくような、静かな無機的なフレーズが応酬していく3曲目、前後にややアピールするテーマを持ってきて、中盤部には混沌としつつ盛り上がる部分もある4曲目。

2086

Cartography/Arve Henriksen(Tp, Voice, Field Recording)(ECM 2086)(輸入盤) - Released 2008. Jan Bang(Live Sampling, Samples, Beats, Programming, Bass Line, Dictaphone, Organ Samples, Arrangement), Audun Kleive(Per, Ds), David Sylvian(Voice, Samples, Programming), Helge Sunde(String Arrangement and Programming), Eivind Aarset(G), Lars Danielsson(B), Erik Honore(Synth, Samples, Field Recording, Choir Samples), Arnaud Mercier(Treatments), Trio Mediaeval(Voice Sample), Verane Andronikof(Vo), Vytas Sondeckis(Vocal Arrangements), Anna Maria Friman(Voice), Stale Storlekken(Synth, Samples) - 1. Poverty And Its Opposite 2. Before And Afterlife 3. Migration 4. From Birth 5. Ouija 6. Recording Angel 7. Assembly 8. Loved One 9. The Unremarkable Child 10. Famine's Ghost 11. Thermal 12. Sorrow And Its Opposite

(08/11/16)Arve Henriksenと他のメンバー達の共作が多い。生音一発ではなくて、サンプラー、Field Recordingの多用によって、制作にけっこう時間がかかっているのではないでしょうか。なので珍しく録音年月が書いてありません。Henriksenは尺八の要素もあるような、ある種独特のサウンドのトランペットを吹く人ですが、ここでは淡々と吹く環境に合わせて、バックの音も、時にある程度人工的にもなったり、ヴォイスも入ったりしながら、ECMらしさを失っていない統一されたサウンドになっています。最近多くなっているサンプラーの使用も、北欧のミュージシャンらしく、手馴れたもの。ゆったりとドラマチックに悠久の時が流れていくような、それでいて温度感が低いサウンド。インプロヴィゼーションを時間をかけて積み重ねた感じ。

2085

Chiaroscuro/Ralph Towner(G)/Paolo Fresu(Tp, Flh)(ECM 2085)(輸入盤) - Recorded October 2008. - 1. Wistful Thinking 2. Punta Giara 3. Chiarocuro 4. Sacred Place 5. Blue In Green 6. Doubled Up 7. Zephyr 8. The Sacred Place (Reprise) 9. Two Miniatures 10. Postlude

(09/11/29)2人の共作が9-10曲目のアルバムラストに2曲あり、5曲目が有名な、やや静かで哀愁度の高い、2人の息も合っている「ブルー・イン・グリーン」、そして残りの1-4、6-8曲目がラルフ・タウナーの作曲。パオロ・フレスのトランペット(フリューゲル・ホーン)が透明度が高いサウンドとクリアーなメロディなのと、タウナーのクラシックや12弦ギター(時にバリトン・ギターも)の響きの相乗効果で、スペイシーな、ECMらしいデュオが繰り広げられています。いつもよりは温度感がほど良く高め。何となくクラシックの曲を聴いているような雰囲気も。7曲目は丁々発止のけっこう激しいやり取りの部分も。9-10曲目のインプロヴィゼーション?の曲も完成度は高いです。10曲で46分ほどなので、もう少し長くても、と思う内容。

2084

As Ney/Cyminology(ECM 2084)(輸入盤) - Recorded April 2008. Cymin Samawatie(Vo), Benedikt Jahnel(P), Ralf Schwarz(B), Ketan Bhatti(Ds, Per) - 1. As Ney 2. Niyaayesh 3. Kalaam/Dassthaa/Delbasstegi 4. Sendegi 5. Por Se Ssedaa 6. Naagofte 7. As Ssafar 8. Ashkhaa

(09/02/22)1、6-7曲目の作詞がメンバー以外(特に1、6曲目は13-14世紀の詩)ですが、他の作詞作曲はメンバーの誰かまたは複数。提供曲や詞の多さからCymin Samawatieがメインか。このレーベルにしては珍しくヴォーカル曲ばかり。イラン系のヴォーカリストでペルシャ語の歌詞とのこと。ドラムスがインド系で、他の2人はヨーロッパ人。この折衷感覚が、西洋音楽と東洋(中東)との軽いエキゾチックな雰囲気をもたらしています。明るめの曲もありますが、メロディは哀愁度が高めの曲が多いです。ただ、その範囲の中でもサウンドカラーはさまざま。不思議な浮遊感覚も伴っていて、バックに徹している3人がときに目立つ場面も。変拍子の曲も混ざります。3曲目は15分あってドラマチック。盛り上がる部分もあります。

2082

Saudacoes/Egberto Gismonti(G)(ECM 2082/83)(輸入盤) - Recorded Augusut 2006, April and May 2007. Camerata Romeu, Zenaida Romeu(Cond), Alxandre Gismonti(G) - [CD1] Sertos Veredas - Tributo A Miscigenacao: 1. Sertos Veredas 1   2. Sertos Veredas 2   3. Sertos Veredas 3   4. Sertos Veredas 4   5. Sertos Veredas 5   6. Sertos Veredas 6   7. Sertos Veredas 7 - Palhaco Na Caravela   [CD2] Duetos De Violos: 1. Lundu 2. Mestico & Caboclo 3. Dois Violoes 4. Palhaco 5. Danca Dos Escravos 5. Chora Antonio 7. Zig Zag 8. Carmen 9. Aguas & Danca 10. Saudacoes

(09/06/21)CD1枚目はエグベルト・ジスモンチは作曲(一部共作)のみで、クラシックの弦楽楽団による演奏。なので現代音楽のジャンルに入ると思います。CD2枚目はギターのデュオの演奏。Alxandre Gismontiのソロが4、6曲目、彼の作曲が6曲目。エグベルト・ジスモンチのソロは10曲目で、主に彼の作曲ないしは共作。1枚目は現代音楽でも難解さはあまりなく、それでも西欧的で温度感は低め。ラストに分かりやすいメロディ。CD2枚目は、再演曲もあって、意味過去の再演と現在進行形の彼のギターを聴けるところに意義があるかも。乾いたクラシックギターの音と速いフレーズの技巧がスゴい。ただ、インプロヴィゼーションはあっても、ジャズとは離れたサウンドなので、聴く人を選ぶか。傍系レーベル「Carmo」のマークも。

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