ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

2020年01月

2314

Third Reel/Nicolas Masson(Ts, Cl)/Roberto Pianca(G)/Emanuele Maniscalco(Ds)(ECM 2314)(輸入盤) - Recorded February 2012. - 1. After All 2. Furious Seasons 3. Orbits 4. Improvisation 2   5. Bley 6. Neuer Mond Prologue 7. Improvisation 5   8. Miserere 9. Freeze 10. Fasten 11. Ginkgo 12. Sparrow 13. Spectrum 14. Eleventh Winter Tale 15. Improvisation 4   16. Neuer Mond

(13/04/07)短めの曲が16曲。Nicolas Masson作が4曲(3、8、11-12曲目)、Roberto Pianca作が2曲(1、13曲目)、Emanuele Maniscalco作が7曲(2、5-6、9-10、14、16曲目)、1-3人のインプロヴィゼーションが3曲(4、7、15曲目)。変わった楽器編成。やはりECM的世界を表すような、比較的静かでビート感がほとんどない、流れて行くようなサウンドが漂っています。エレキ・ギターは時々ひずみますけど、それも、静かな世界の方に取り込まれているような雰囲気。インプロヴィゼーションが、4曲目は流れる感じながらややエネルギーがあります。それでも多くの曲はゆったりと温度感低くゆったり語り合っているという印象。おとなしめながら、ECM的に神経質で、研ぎ澄まされている印象を受けます。9曲目はビート感あり。

2313

Transylvanian Concert/Lucian Ban(P)/Mat Maneri(Viola)(ECM 2313)(輸入盤) - Recorded June 5, 2011. - 1. Not That Kind Of Blues 2. Harlem Bliss 3. Monastery 4. Retina 5. Nobody Knows The Troubles I've Seen 6. Darn 7. Two Hymns

(13/05/26)Lucian Bannの作曲が4曲(1-3、7曲目)、Mat Maneri作が4曲目、共作が6曲目、トラディショナルが5曲目。ピアノがリーダーだと思うのですが、ヴィオラが旋律を弾いて、そのバックにまわることが多い。ヴィオラが引っ掛かりの多いメロディを弾く感じは彼の個性か。ブルースではないというタイトルだけど、ブルージーでスピリチュアルな感じもある1曲目、ややしっとり感はあるけれど、少し淀んだところがジャズっぽい2曲目、ピアノのモーダルなアプローチにヴィオラのメロディが絡む、けっこうゴンゴンくる3曲目、静かな冷めたバラードを聴かせる4曲目、ヴィオラのソロで静かに明るく展開していく5曲目、2人のインプロヴィゼーションで自然に盛り上がっていく6曲目、しっとりと、暖色系の静かなバラードで終わる7曲目。

2312

Victor Kissine/Between Two Waves(ECM New Series 2312)(輸入盤) - Recorded July 2011. Andrius Zlabys(P), Kremerata Baltica Roman Kofman(Cond), Daniil Grishin(Viola), Giedre Dirvanauskaite(Cello), Gidon Kremer(Vln), Andrei Pushkarev(Per) - 1. Between Two Waves 2. Duo (After Osip Mandelstam) 3. Barcarola

(13/05/19)Victor Kissineはソ連(ロシア)出身でベルギー在住の20世紀後半から21世紀にかけての現代音楽家。ソロイストを替えながら、1、3曲目はオーケストラをバックに、2曲目はヴィオラとチェロのデュオを演奏しています。いずれも作曲は’98年から’11年にかけてで、新しいものです。静かな場面が多く、そのフレーズは重く沈んでいて、かなり深い蒼色のサウンドと感じます。そして時に瞬間的に盛り上がりドラマチック。難解な方か。

2311

Hagar's Song/Charles Lloyd(Ts, As, Bfl, Afl)/Jason Moran(P, Tambourine)(ECM 2311)(輸入盤) - Recorded April 2012. - 1. Pretty Girl 2. Mood Indigo 3. Bess, You Is My Woman Now 4. All About Ronnie 5. Pictogram 6. You've Changed 7-11. Hagar Suite: I Journey Up River II. Dreams Of White Bluff III. Alone IV. Bolivar Blues V. Hagar's Lullaby 12. Rosetta 13. I Shall Be Released 14. God Only Knows

(13/03/13)デュオ作品。チャールス・ロイド作は5曲目と7-11曲目の組曲だけで、モダン以前の古き良き時代のジャズの曲を割と多く取り上げていて、温かみもあるサウンドの曲もあり、ECMっぽくない雰囲気の曲も。管楽器とピアノとのデュオということで、そこに枠をはめていると言えなくもないです。13曲目はボブ・ディランの曲、14曲目はブライアン・ウィルソン作と、ロック・ポップス系の曲にも挑戦していますが、やはりこの2人のサウンドになっています。メリハリのある4ビートかつフリー的な演奏で、2人の息もぴったり合っている5曲目、7-11曲目の組曲ではフルートも使う場面があって、曲によっては民族的かつミステリアスでスピリチュアルなサウンドを醸し出しつつ、緊張感もあるドラマチックな構成。そのラストはゆったり。

2310

Travel Guide/Ralph Towner(G)/Wolfgang Muthspiel(G, Voice)/Slava Grigoryan(G)(ECM 2310)(輸入盤) - Recorded August 2012. - 1. The Henrysons 2. Father Time 3. Winding 4. Duende 5. Amarone Trio 6. Travel Guide 7. Die Blaue Stunde 8. Nico Und Mithra 9. Terry 10. Museum Of Light

(13/10/13)ラルフ・タウナー作が5曲(2、4、6、9-10曲目)、Wolfgang Muthspiel作が5曲(1、3、5、7-8曲目)で、彼だけエレキギターを使用。他はクラシック・ギター、12弦ギター、バリトン・ギター。ギター3人での演奏ですけど、ギターをバリバリと弾いていくサウンドも時にありますが、基本的には情景的な、風景が目の前に浮かぶような演奏が繰り広げられていきます。ギター3人でこういう美しい、そして幅の広い演奏ができたのか、という感じ。ちょっと間違えるとイージー・リスニングになりそうで、その一歩手前で少し硬派な感じを残している感じ。ECMらしく、その演奏の温度感は低めです。それでもこの3人の一体感は素晴らしいです。飛びぬけた音は計算されている感じだし、それでいて変化に富んだサウンドを出しています。

2309

Konstantia Gourzi/Music For Piano And String Quartet(ECM New Series 2309)(輸入盤) - Rcorded July 2012. Lorenda Ramou(P), Ensemble Coriolis: Heather Cottrell(Vln), Sunanna Pietsch(Vln), Klaus-Peter Werani(Viola), Hanno Simons(Cello) - 1. Eine Kleine Geschuchte 2. P-ilion, Neun Fragmente Einer Ewigkeit 3. Aiolos Wind 4. Israel 5. "Noch Furcht, Ich" 6. Vibrato 1   7. Klavierstucke I-V 8. Vibrato 2

(14/11/29)Konstantia Gourzihaは’62年生まれのギリシャの女流現代音楽家。’93年の1曲が1曲ある他は、’04年以降の曲ばかり。ピアノ曲が1、3、5、7曲目、弦楽四重奏は2、4曲目、両方での演奏が6、8曲目。解説的には現代音楽とギリシャの民族音楽との融合という表現も見つけましたが、少しそれも感じる反面、個性的ながらバリバリの現代音楽のようにも。静かな場面は多いけど、それだけではなくて、激しいところは激しいかも。

2308

Panagia/Stephan Micus(All Instruments, Voice)(ECM 2308)(輸入盤) - Recorded 2009 - 2012. - 1. I Praise You, Unfinding Rose 2. YouAre The Treasure Of Life 3. I Praise You, Lady Of Passion 4. Your Are The Live-Giving Rain 5. I Praise You, Sacred Mother 6. You Are Like Gragment Incense 7. I Praise You, Sweet-Smelling Cypress 8. You Are Full Of Grace 9. I Praise You, Shelter Of The World 10. You Are A Shining Spring 11. I Praise You, Cloud Of Light

(13/02/01)全曲ステファン・ミカスの作曲、演奏、ヴォイス。楽器も、Bavarian Zither, Tibetan Chimes, Burmese Temple Bells, Zanskari Horsebells, Dilruba, Chitrali Sitar, Sattar, Guitar, Nay, Chinese Gongsと、民族色が多彩。曲も、ゆったりとした無国籍的民族音楽になっているのは、以前の彼のアルバムでも聴いたことがあるようなサウンド。ただ、曲名に「I Praise You, -」(ヴォイスあり)「You Are -」(インストルメンタル)と1曲ごとに繰り返されるのは宗教的な心への回帰なのか、と思ったら、タイトルはギリシャでの聖マリアでした。無国籍的民族色も含みつつ、ギリシャの教会音楽の(想像ですが)原初的なサウンドのような、素朴な味があります。それでいて、凝っている多重録音なんですよね。かなり音が分厚い曲も。ひたすら敬虔です。

2307

Mira/Arild Andersen(B, Electronics)/Paolo Vinaccia(Ds)/Tommy Smith(Ts, Shakuhachi)(ECM 2307)(輸入盤) - Recorded December 2012. - 1. Bygone 2. Blussy 3. Alfie 4. Rossetti 5. Reparate 6. Raijin 7. La Saleya 8. Kangiten 9. Mira 10. Right And More 11. Stevtone

(14/02/02)アリルド・アンデルセン作ないし共作が8曲(1-2、4-5、7、9-11曲目)、トミー・スミス作が8曲目、トミーとPaolo Vinacciaの共作が6曲目、バート・バカラック作が3曲目。エレクトロニクスや尺八を効果的に使用する他は、ヨーロピアンで穏やかな場面が多めのサックス・トリオ(時にデュオ)として、空間的なサウンドを聴くことができます。メロディアスで、温度感もそんなに低くはない感じ。時に速いパッセージを交えながら、明るい2曲目のような曲も。3曲目も明るめのしっとり感。4曲目は短調でやや躍動感もある感じで、少し活発かも。6曲目は日本的な尺八とドラムスのデュオで、雷を表したサウンドが心地良い。タイトル曲の9曲目は地味だけどなかなか味わいのあるバラード。マイナーでで少し重みがある10曲目。

2306

In Full View/Julia Hulsmann(P) Quartet(ECM 2306)(輸入盤) - Recorded June 2012. Tom Arthurs(Tp, Flh), Marc Muelbauer(B), Heinrich Kobberling(Ds) - 1. Quicksilver 2. Dunkel 3. Gleim 4. Forever Old 5. Spiel 6. Richtung Osten 7. The Water 8. Forgotten Poetry 9. Dedication 10. Snow, Melting 11. Meander 12. In Full View 13. Nana

(13/05/19)Julia Hulsmannは4曲(2、5、10、12曲目)と少なめで、ベーシスト作が4曲(1、3、9、11曲目)、他の曲は他の作曲者と、多彩。曲によってはちょっと硬派な感じながら非4ビート的のヨーロピアンな雰囲気のクァルテットは一貫したサウンドを奏でています。曲によってやや動的でも、温度感は低く、やっぱりECMでの録音を意識したものか。それとも本質的にこういうサウンドなのか、とも思える雰囲気。淡い感触ながらそれぞれの曲に特徴があって、70分全13曲も収録していても飽きないです。ホーンをひとり加えたのも、今までトリオだったので変化に富んでいていい感触。それでも熱くはならない。ゆったりした曲が多い中、9曲目はリズムを強調した曲。タイトル曲の12曲目は活発な4ビートも出ながら、色調は同じ感じ。

2304

Wislawa/Tomasz Stanko(Tp) New York Quartet(ECM 2304/05)(輸入盤) - Recorded June 2012. David Virelles(P), Thomas Morgan(B), Gerald Cleaver(Ds) - 1. Wislawa 2. Assassins 3. Metafizyka 4. Dernier Cri 5. Mikrokosmos 6. Song For H 7. Oni 8. April Story 9. Tutaj - Here 10. Faces 11. A Shaggy Vandal 12. Wislawa, Var.

(13/03/12)CD2枚組。全曲トーマス・スタンコ作曲。米国人でサイドを固めているアルバムは彼としては珍しい。フリーに振れている感じはするも、タイトル曲の1曲目は出てくる音は叙情的なヨーロッパの雰囲気。ただ、2曲目のようにアップテンポの4ビートで入ってECMにしては暴れまくっている曲もあり、このあたりがニューヨークだな、と思わせます。静かに入ったと思うと時おり盛り上がる3曲目。他にも静かな曲は多めだけれど、サウンドの肌合いや緊張感などがアメリカ的と言えなくもない感じ。トランペットも時おりフリーキーになります。5-6曲目のフリー的なサウンドの上を舞うトランペットが心地良い。適度に緊張感と時にノリのある7曲目、哀愁とフリーの感覚、スリルが混ざる10-11曲目、再び叙情的に幕を閉じる12曲目。

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