ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業をし、’20年からLP聴きも追加してあと本編の未配信2枚(1264, 1268)とJAPO3枚(60008, 60023, 60030)を残して完了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは言及する予定はないです。おそらくコメント付きでほぼ網羅しているのは日本では(私のメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2020年11月

60011-260011


Magog(JAPO 60011)(LPのみ)(’13年にTCB RecordsよりCD再発) - Recorded Novemver 1 and 2, 1974. Hans Kennel(Tp, Flh, Per), Andy Scherrer(Ss, Ts, Fl, Per), Paul Haag(Tb, Per), Klaus Koenig(P, Key, Per), Peter Frei(B), Peter Schmidlin(Ds, Per) - 1. Lock 2. Gogam 3. Rhoades 4. Der Bachstelzer 5. Summervogel 6. New Samba

(20/10/21)’13年にTCBレコードよりリマスターされて再発。ECM/JAPOでは珍しい。1曲目がPaul Haag作、2曲目がAndy Scherrer作、3-4曲目がKlaus Koenig作、5-6曲目がHans Kennel作。リマスターなので、印象は元と違うかも。収録時間は42分。8ビート的な同じリズムの繰り返しで、明るめなサウンドでホーン群が割と自由にまとまっているという印象の1曲目、自由な進行で、その上をやや哀愁を帯びたホーンが流れていき、途中けっこう激しい4ビートになる2曲目、全体のキメもあるけど基本フリーになる演奏の3曲目、キーボードでゆったりから、変族リズムで割と硬派なジャズを聴かせる4曲目、風が強いようなフリーから後半ゆっくり渋く曲が進む5曲目、確かにサンバではあり、明るいホーンが印象的な6曲目。

(注)向かって左のジャケ写がJAPOで出たときのもの、右がTCBで再発されたときのものです。

60010

"Quotation Marks"/Enrico Rava(Tp)(JAPO 60010) - Recorded December 1973 and April 1974. Jeanne Lee(Vo), John Abercrombie(G), Devid Horowiz(P, Synth), Herb Bushler(B), Ray Armando(Per), Jack DeJohnette(Ds), Warren Smith(Marimba, Per), Finito Bingart(Ts, Fl, Per), Rodolfo Mederos(Bandoneon), Ricardo Lew(G), Matias Pizarro(P), El Negro Gaozales(B), Nestor Astarita(Ds), El Chino Rossi(Per) - 1. Espejismo Ratonera 2. Short Visit To Malena 3. Sola 4. San Justo 5. Water Kite 6. Quotation Marks - Naranjales 7. Melancolia De Las Maletas

ほぼ全曲エンリコ・ラヴァの作曲ないしは共作(1曲の半分だけトラディショナルがあり)。彼らしい憂いとつやのあるトランペット。アルゼンチン録音の1、3-5曲目と、アメリカ録音の2、6-7曲目があり、そちらにはジョン・アバークロンビーとジャック・ディジョネットが参加。豪華なメンバーです。ポップスっぽい気も。アルゼンチン風にはじまったと思ったら8分の6拍子の渋いメロディアスな曲を聴かせてくれる1曲目、ヴォーカル入りでポップな味わいのある2曲目、ロックっぽい元気さのあるラテンサウンドの3曲目、明るく速いパッセージのテーマが印象的な活発なラテンの4曲目、ノリの良いラテンポップス風味の5曲目、静かで幻想的、そしてフリーなタイトル曲とトラディショナルが連続する6曲目、威勢の良いラテンの7曲目。(06年4月19日発売)

60009

Children At Play/Tom Van Der Geld(Vib, Per)(JAPO 60009)(ストリーミング配信) - Recorded 1973. Roger Jannotta(Reeds, Per), Larry Porter(P, Key, Per), Richard Appleman(B), Jamey Hadded(Ds on 4), Bob Gulotti(Ds) - 1. Tamarind 2. Wandering I 3. Sweet My Sweet 4. Reason 5. Patch Of Blue

(19/12/05)5曲目のみLarry Porter作で、他は全曲Tom Van Der Geld作。「Children At Play」というグループの第1作。最初の30秒ぐらい無音で、徐々にフェードインしてくる出だしは穏やかな、そして少しミステリアスになったり4ビート、フリーの要素も絡めてドラマチックに進行していく18分もの1曲目。このあたりECMっぽいと言えばそれっぽいのだろうけど、やはりセルフ・プロデュースということで、なりきっていないところがまたいいのかも。バス・クラリネットだろうか、さまようフレーズに他の楽器が加わり静かに進む2曲目、ゆったりとしたベースの上をヴァイブラフォンが漂うように流れていく3曲目、ヴァイブラフォンが中心に、少しフリー的な絡みもあるやや静かな4曲目、静かだけどさらにフリー化している10分台の5曲目。

(’19年8月より順次配信)

60008

System Tandem/Jiri Stivin(Fl, Recorder, Sax)/Rudolf Dasek(G)(Japo 60008)(LPのみ) - Recorded May 1974. - 1. Puddle On The Muddle 2. Moravian Folk Song - Forman Going Down The Valley 3. Hey, Man (Let's Play Something About Spain) 4. Sheperd Song 5. What's Your Story 6. Puzzle Game


(’20年10月現在)未CD化、ストリーミング配信もなし。

60007

Nan Madol/Edward Vesala(Ds, Per, Harp, Fl)(JAPO 60007)がECMの下記ナンバーに変更して再発

Nan Madol/Edward Vesala(Ds, Per, Harp, Fl)(ECM 1077)(輸入盤) - Recorded April 25 and 26, 1974. Elisabeth Leistola(Harp), Kaj Backlund(Tp), Juhani Aaltonen(Sax, Fl, Bells, Voice), Seppo Paakkunainen(Ss, Fl), Pentti Lahti(Ss, Bcl), Charlie Mariano(As, Fl, Nagaswaram), Juhani Poutanen(Vln, Avlin, Voice, Bells), Sakari Kukko(Fl), Mircea Stan(Tb), Teppo Hauta-aho(B, Voice) - 1. Nan Madol 2. Love For Living 3. Call From The Sea 4. The Way Of... 5. Areous Vlor Ta 6. The Wind


(02/05/25)エドワード・ヴェサラのドラムスはパルシヴでパーカッシヴな感じなのですが、ここでは作曲やアレンジの方にも重きをおいているようなサウンドの曲が多いです。タイトル曲の1曲目は重厚な音が漂っていくような、6人で音を出しているわりにはシンフォニックなイメージのある曲。彼が楽器をハープ(これもなかなか)に持ちかえてサックスとのデュオを繰り広げる2曲目、多重録音と思われるパーカッションソロの3曲目、そして彼のパルシヴなドラムスとドラマチックでフリーな展開が聴ける12分台の4曲目、オリエンタルな香りのあるメロディからフリーブローイングになだれこむ9人編成での12分台の5曲目、厳かなオーケストレーションと効果音で、まさにヨーロッパの暗い「風」を意識するような6曲目。

60006

Understanding/Bobby Naughton(Vib, P, Key) Units(JAPO 60006)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded October 31, 1971. - Randy Kaye(Per on 1-2, 4-6), Mario Pavone(B on 3-4, 7-8), Richard Youngstein(B on 1-2, 5-6), Perry Robinson(Cl), Mark Whitecage(Fl, Basset Horn), Laurence Cook(Per on 3, 7-8) - 1. Understanding 2. Austin Who 3. Ictus 4. Snow 5. Generous 1   6. Gloria 7. V.A. 8. Nital Rock

(20/12/22)ライヴ。Bobby Naughton作が2、4、7-8曲目。カーラ・ブレイ作が1、3、5-6曲目。カーラの作が多いです。1曲目はトリオのようで、必ずしも全員が(交替があるにしても)参加しているわけではないようです。2曲目のヴァイブラフォンの曲になるともっと静かな感じで、ECM的ではあるものの、やや地味な印象か。一転3曲目ではホーンも参加して当時のフリージャズの路線を行っています。ジャケ写の絵が”Abstraction”なので当然か。割と自由なんだけどバラード調でドラマチックな4曲目、やはりフリージャズ的なトリオの演奏の5曲目、フリー的でもあるけど耽美的なカーラ作のバラードの6曲目、再びホーンが加わり思索的なフリーの7曲目、ロックビートの演奏だけど、賑やかで自由に演奏している感じの8曲目。

(’20年10月現在)未CD化、ストリーミング配信もなし。

60005

Ancient Africa/Dollar Brand(P, Fl)(JAPO 60005)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded June 1972. - [Side 1] Medley: 1. Bra Joe From Kilimanjaro 2. Mamma 3. Tokai 4. Llanga 5. Cherry 6. African San [Side 2] Medley: 7. African San(Continued) 8. Tintinyana 9. Xaba 10. Peace - Salaam 11. Air

(20/12/13)ライヴ。全曲ダラー・ブランドの作曲で、LPのAB面でそれぞれ1曲でメドレーになっています。実際にはB面の途中までピアノを弾きっぱなしのようで、拍手が入り、ラストはフルートのソロになります。ピアノは明るめのアフリカンサウンドが響き渡りますが、フルートは素朴ながら一部哀愁が漂っています。吹きながらヴォイスも同時のところも?会場の雰囲気をつかみながら、自由気ままに弾いていて発展していっているのでは、というような展開です。ジャズの語法を持っている人ではないので、いかにもアフリカンなピアノの演奏という感じで、リズムの反復とフレーズの反復も入り、けっこうなペースでフレーズが繰り出されて行き、聴いていくうちに不思議な感覚になります。短調の哀愁フレーズとは縁がないピアノ。

(’20年10月現在)未CD化、ストリーミング配信もなし。

60004

The Philosophy Of The Flugelhorn/Herbert Joos(Flh, B, B-Recorder, Bamboo-Fl, Mellophone, Tp, Alto-Horn, P, Vib, Per)(JAPO 60004)(ストリーミング配信) - Recorded July 1973. - 1. The Philosophy Of The Flugelhorn 2. The Warm Body Of True Love 3. Skarabaus II 4. Rainbow 5. The Joker 6. An Evening With The Vampire

(19/11/25)全曲Herbert Joosの作曲でひとり多重録音。1曲目は鳥の鳴き声(を模した楽器)も入って、木管楽器の温かめな音で、牧歌的な風景を彩っています。やや野暮ったいかなとも思えるサウンドがいいところかも。13分台の大曲で、フリューゲルホーンをテーマにした曲名ではあるのですが。出だしのホーンのアンサンブルはなかなかなテーマだけど、フリーの一本調子の部分があるのではと思う2曲目、テンポ的には同じくらいで、アンサンブル的にはホーンの数が多くなって、一部鍵盤も入る3曲目、ヴァイブラフォンも入って、どことなく牧歌的な感じもあるゆったりした4曲目、ホーンでも高音域の多めな楽器がいくつか舞い踊る感じの小品の5曲目、これまた小品の、幻想的なフリーとでもいう感じの曲の6曲目。

(’19年7月より順次配信)

60003

For All It Is/Barre Phillips(B)(JAPO 60003)(ストリーミング配信) - Recorded March 12, 1971.Palle Danielsson(B), Barry Guy(B), J.F. Jenny-Clarke(B), Stu Martin(Per) - 1. Just 8   2. Whoop 3. Few Too 4. La Palette 5. Y En A 6. Dribble 7. Y.M.

(19/11/24)全曲バール・フィリップスの作曲。有名なベーシスト4人の共演という画期的な内容のアルバムだけど、フリー・インプロヴィゼーション的な雰囲気が高い感じ。試みとしては初めてではないかと思え、これはこれで素晴らしいことだと思います。ベースの出すさまざまな音もリアルだし。ただ、内容が内容だけに聴く人を選ぶかも。1曲目はメジャー調のワン・コードでの進行で、それぞれのベースが絡みながら進んでいきます。曲としてはある程度の枠組みがありながらフリーの要素が高いので、2、4、6曲目のようにまったくフリーに聴こえる曲も。シンプルなフレーズから静かにアルコ奏法も駆使して絡み合っていく3曲目、出だしのアルコのハーモニーが美しく、ピチカートも含み発展していく5曲目。大いなる実験作かも。

(’18年から配信されている)

60002

African Piano/Dollar Brand(P)(JAPO 60002) - Recorded October 22, 1969. - 1. Bra Joe From Kilimanjaro 2. Selby That The Eternal Spirit Is The Only Raelity 3. The Moon 4. Xaba 5. Sunset In Blue 6. Kippy 7. Jabulani - Easter Joy 8. Tintiyana

(03/11/02)コペンハーゲンでのライヴ録音。全曲ダラー・ブランド(後のアブドゥーラ・イブラヒム)の作曲。全体で曲はつながっています。ブルースからの影響は少ない感じはしますが、そのフレーズはこの当時からけっこう個性的で、アフリカを題材にとった曲名や独特なフレーズは耳に引っかかります。1曲目は左手のリズムに合わせて右手が自由に飛翔している11分台の曲、徐々に陽気に盛り上がっていく2曲目、その陽気なままの分かりやすいメロディでピアノが走っている3曲目、ちょっと落ち着いて小品の4曲目、ちょっと泥臭い左手と分かりやすい右手のバランスが良い5曲目、しっとりとした個性的なバラードの6曲目、間を取りつつも速い自由なフレーズを見せる7曲目、メロディアスでゴスペルタッチの陽気な8曲目。

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