ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。古いコメント修正中ですが。

2022年05月

2742

Opening/Tord Gustavsen(P, Electronics) Trio(ECM 2742)(輸入盤) - Recorded October 2021. Steinar Raknes(B, Electronics), Jarle Vespestad(Ds) - 1. The Circle 2. Rindings/Visa Fran Rattvik 3. Opening 4. The Longing 5. Shepherd Song 6. Helensburgh Tango 7. Re-Opening 8. Findings II 9. Stream 10. Ritual 11. Floytelat/The Flute 12. Vaer Sterk, Mim Sjel

(22/04/25)英語のタイトルのものはトルド・グスタフセンの作曲。収録時間は48分。12曲あるので、ギュッとエッセンスを凝縮したような演奏が多いです。1曲目を聴いていると、さすが北欧の美旋律のピアノ・トリオと思うのですが、ECMでは、フリーに近いような静かで少し緊張感を漂わせる場面を作ってもいます(2曲目など)。独特の静かな語り口で、これが人気の秘密だとは思うのですが、もう何枚もECMでアルバムを出していることで、それがうかがえます。時にはフリーに近い状態になるも、大部分が抑制された冷たい感触のリリシズムというか、独特な美学でおおわれていて、しかもメロディが分かりやすいところが多めなので、何度もアルバムを聴き返したくなります。ベーシストが交代してますが、大きな流れは同じ感じ。

2740

Bordeaux Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 2740)(輸入盤) - Recorded July 6, 2016. - 1. Bordeaux, Part I 2. Bordeaux, Part II 3. Bordeaux, Part III 4. Bordeaux, Part IV 5. Bordeaux, Part V 6. Bordeaux, Part VI 7. Bordeaux, Part VII 8. Bordeaux, Part VIII 9. Bordeaux, Part IX 10. Bordeaux, Part X 11. Bordeaux, Part XI 12. Bordeaux, Part XII 13. Bordeaux, Part XIII

(22/10/03)「Budapest Concert」の3日後、「Munich 2016」の10日前の演奏で、全曲即興演奏。収録時間は77分。他のアルバムと似ている曲もあるけど、構成的にはその日の、おそらく気分によって内容が変わり、やはり演奏日が近くても1回1回聴くのが貴重な演奏でもあります。緊張感を伴う抽象的な場面もあるものの、全体的には構成も含め、美しさがやや前に出ているような雰囲気。いろいろな方向性の曲が混ざっていて、他のコンサートでも聴けるようなブルースの曲ははっきりと分かって興味深いです。他のアルバムと合わせて、こういう表現の域に達してしまったか、と思うことが多い。これならば彼の演奏が今後ともたくさん出てくることが想像できます。どんな音も常に強い集中力を持って演奏していました。

2739

Isabela/Oded Tzur(Ts)(ECM 2739)(輸入盤) - Recorded September 2021. Nitai Herschkovits(P), Petros Klampanis(B), Johnathan Blake(Ds) - 1. Invocation 2. Noam 3. The Lion Turtle 4. Isabela 5. Love Song For The Rainy Season


(22/05/14)全曲Oded Tzurの作曲。同じメンバーで2枚目の録音。収録時間は35分と少し短め。テナーサックスの音色がソフト。それでも5曲とも耽美的で少しミステリアスな、薄暮の色合いをまとったような演奏が素晴らしい。ギュッと凝縮された時間を過ごすことができます。少々薄暗く始まったと思ったら、これはアルバムの導入部の小品になっている1曲目、メランコリックでメロディアスな世界へといざなう、夢見心地な2曲目、叙情性を持ちつつ、互いを意識しあいながらの音の列が全体としてなるほど美しいと思うメルヘンチックな3曲目、語りかけるようなシンプルなメロディで、慈しむようにサックスの音が聴こえる10分台のタイトル曲の4曲目、やや活発な8分の6拍子系の、盛り上がりのある演奏がアクセントの5曲目。

2737

Naked Truth/Avishai Cohen(Tp)(ECM 2737)(輸入盤) - Recorded September 2021. Yonathan Avishai(P), Barak Mori(B), Ziv Ravitz(Ds) - 1. Part I 2. Part II 3. Part III 4. Part IV 5. Part V 6. Part VI 7. Part VII 8. Part VIII 9. Departure

(22/03/02)全曲アヴィシャイ・コーエンの作曲、というよりはフリー・インプロヴィゼーションに近いものかも。収録時間は35分と短め。ゆったりとした曲に乗せて、時に静かに、時に朗々とトランペットのメロディが流れていきます。ある程度の指示はあるのでしょうが、サウンドの流れやメロディは自然で、少し憂いを帯びた薄暗いサウンドカラーなっています。ある意味ジャズ的でもあるけれども、もっと何か、自然から湧き出してくるものの音楽という感じもする。組曲は全体で1曲と考えた方がいいくらいに、一貫性とまとまりがあります。9曲目には詩の朗読もあるけれども、それすらもこの組曲の一部に織り込まれてしまっています。これだけ一貫性のある組曲がフリーだとして、本当に瞬間を切り取った素晴らしい録音になってます。

2736

Last Decade/Benjamin Lackner(P)(ECM 2736)(輸入盤) - Recorded September 2021. Mathias Eick(Tp), Jerome Regard(B), Manu Katche(Ds) - 1. Where Do We Go From Here 2. Circular Confidence Camino CIelo 4. Hung Up On The Ghost 5. Last Decade 6. Remember This 7. Open Minds Lost 8. Emile 9. My People


(22/10/24)ベース・ソロの8曲目のみJerome Regard作で、他は全曲Benjamin Lackner作。収録時間は41分。哀愁系のメロディアスなピアニストのようで、レーベルの範疇では、やや普通にビート感のある曲も含め、あまりクセのない、流れに乗っている音楽を奏でています。1曲目の冒頭からつかまれてしまうその響きは、トランペットのMathias Eickとも相性が良く、彼の出身が分かるような、ECMにしては分かりやすいメロディでアルバムは進んでいきます。4曲目はやや元気だけど、陰影のあるサウンドにこだわりか。タイトル曲の5曲目はいくぶん地味だけど、渋いバラード。7曲目はピートがはっきりしている8分の6拍子で、これはドラムスがマヌ・カッチェだからか。聴きやすい美しめのヨーロッパジャズに浸るにはいい。

2735

Face A Face/Barre Phillips(B)/Gyorgy Kurtag Jr.(Live Electronics)(ECM 2735)(輸入盤) - Recorded September 2020 - September 2021. - 1. Beyond 2. The Under Zone 3. Two By Two 4. Across The Aisle 5. Algobench 6. Chosen Spindle 7. Extended Circumstances 8. Bunch 9. Sharpen Your Eyes 10. Ruptued Air 11. Stand Alone 12. Forest Shouts


(22/09/04)バール・フィリップスのベースと、有名な作曲家Gyorgy Kurtagの息子のシンセサイザーやパーカッションによる共作。収録時間は33分と短いです。1年間をかけて収録しているので、同時のセッションではなくて、片方を録音してからもう片方を重ね合わせた録音ではないか、と思います。エレクトロニクスというと、地味な味付けのことが多いのですが、ここではエレクトロニクスの効果が効いていて、かなり前面に出ています。それでいて、ある程度抽象的な面も持ち合わせている不思議。ベースの方も様々な奏法による味付けがなされていて、落ち着いていて、なおかつ変化に富んでいるアルバムになっています。ライヴでの再現は難しそうですが、切り取って記録に残された妙があります。聴く人を少し選ぶかも。

2734

Ruins And Remains/Wolfert Brederode(P)(ECM 2734)(輸入盤) - Recorded August 2021. Matangi Quartet: Maria-Paula Majoor(Vln), Daniel Torrico Manacho(Vln), Karsten Kleijer(Viola), Arno Van Der Vuurst(Cello), Joost Lijbaart(Ds, Per) - 1. Ruins I 2. Swallow 3. Remains 4. Cloudless 5. Ruins And Remains 6. Ka 7. Ruins II 8. Duhra 9. Ruins III 10. Retrouvailles 11. Nothing For Granted 12. Dissolve 13. March 14. Ruins IV


(22/10/16)全曲Wolfert Brederodeの作曲。収録時間が47分で14曲なので、短めの曲が多めです。ドラムス(パーカッション)と弦楽四重奏団との演奏で、こういうあたりはECMならでは。少し薄暗いような、静かな景色の中を漂うピアノが叙情的でもあり、全体の雰囲気を導いています。弦楽四重奏団は、割と平易で溶け込むような演奏をしていますが、時に叙情性を上げるような、静けさの中から持ち上がっていくような、雰囲気を盛り上げるところがあります。曲によってはドラムスの適度なアタック感と合わさって、ECMにしてはやや快活な場面もあります(4曲目)。「荒廃」と「残るもの」と言っていいのかどうか、そのさびれた風景の中に、そっとその諦念を漂わせている感じの演奏。マンフレート・アイヒャーのプロデュース。

2728

Heiner Goebbels/A House Of Call/My Imaginary Notebook(ECM New Series 2728/29)(輸入盤) - Recorded September 2021. Ensemble Modern Orchestra, Vimbayi Kaziboni(Cond) - 1-3. I. Stein Schere Papier   4-7. II Grain De La Voix   8-11. III Wax And Violence   12-15. When Words Gone


(22/09/25)Heiner Goebbelsは20世紀ドイツ生まれの作曲家、演出家。想像上の声にアンサンブル・モデルンがそれを演奏で表現している、という構図ですが、内容的にはバリバリの現代音楽という感じで、ヴォイスは随所に音楽と融合して散りばめられています。CD2枚組で収録時間は99分と、けっこう長め。タイトルはジェイムス・ジョイスの小説の一節から採用されたと書いてありますが、想像力たくましいドラマチックな現代音楽。

2727

John Scofield/John Scofield(G, Looper)(ECM 2727)(輸入盤) - Recorded August 2021. - 1. Coral 2. Honest I Do 3. It Could Happen To You 4. Danny Boy 5. Elder Dance 6. Mrs. Scofield's Waltz 7. Junco Partner 8. There Will Never Be Another You 9. My Old Flame 10. Not Fade Away 11. Since You Asked 12. Trance De Jour 13. You Win Again


(22/05/13)完全ソロ作、とはいえLooperというループマシーンを使って、そこで弾いたバックの演奏を元に、ギター・ソロをとっているものが多いです。1曲目がキース・ジャレット作、3-4、7-10曲目がトラディショナルやスタンダード、13曲目がハンク・ウィリアムス作。正統派のギター・ソロのアルバムからすればどうなのよってこともあるけど、彼しかできないある意味のたくったようなフレーズといなたい雰囲気が、まさに彼の歴史を物語っていると思います。彼のファンなら最高、と叫ぶと思うけど、賛否両論あるかもしれない。こういう演奏をしてきた彼だけにできる世界が、まさに彼の名前をタイトルにしたアルバムになったのは、興味深いと思います。持ち込み音源と思われますが、ECMからこれが出たということ自体が驚き。

2726

Hafla/Jon Balke(Key, Electromics, Tombak) Siwan(ECM 2726)(輸入盤) - Recorded May/June 2021. Mona Boutchebak(Vo, Kwitra), Derya Turken(Kemence), Bjarte Eike(Baloque Vln, Leader), Helge Norbakken(Per), Pdram Khavar Zamini(Tombak), Per Buhre(Vo, Viola), Barokksolistene: Peter Spikky(Vln), Louise Gorm(Vln), Arsema Asghodom(Vln), Torbjorn Kohl(Viola), Mikkel Schreiber(Viola), Mime Yamarhiro Brinkmann(Cello), Judith-Maria Blomsterberg(Cello), Johannes Lundberg(B) - 1. Tarraquab 2. Enamorado De Jupiter 3. Mirada Furtive 4. La Estrella Fugaz 5. Arrihu Aqwadu Ma Yakunu Li-Annaha 6. Dialogo En La Noche 7. Linea Oscura 8. Saeta 9. Uquallibu 10. Wadadtu 11. Visita 12. Is There No Way


(22/05/06)3曲目のみMona Boutchebak作で、他は全曲ヨン・バルケ作曲。収録時間は45分。楽器からも民族色豊かなことが分かり、ヴォーカルというかヴォイスというか、入っているものは10-13世紀の詩篇が多く、中にはアラビア語のものもあります。そこに少し小編成のストリング・オーケストラが加わって、その民族音楽的サウンドを分厚くしています。西洋の楽器と民族楽器が合わさって、中東色もあるような、あるいは多国籍的(反面無国籍的)な音楽がそこには横たわっています。バルケはそこにキーボードやエレクトロニクスなどを曲によって加えて、より幅広い、ミステリアスなサウンドに仕上げています。このほの暗さというか、哀愁的なサウンドはなかなか印象的。持ち込み音源のようだけど、ECMらしい民族音楽。

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