ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

2022年11月

2763

Affirmation/Arild Andersen(B) Group(ECM 2763)(輸入盤) - Recorded November 2021. Marius Neset(Ts), Helge Lien(P), Hakon Mjaset Johansen(Ds) - 1-4. Affirmation Part I 5-7. Affirmation Part II 8. Short Story


(22/11/17)8曲目のみアリルド・アンデルセンの作曲で、他の組曲は全曲フリー・インプロヴィゼーションのようです。収録時間は45分。新しいクァルテットとのことで、エルゲ・リエンの参加にも注目。それにしても、フリー・インプロヴィゼーションとは思えないくらい曲が整っていて、美しい演奏が連なります。マンフレート・アイヒャーのプロデュースではないですが、そのような演奏が未編集でCD化されたということで、何か奇跡が起こっているような感覚にとらわれます。ゆったりとした場面が続きながら、それでいて美しいドラマ性を持っているということで、まさに北欧のフリーですね。実際先入観なしに聴いていると前もって組み立てられた音楽の連なりのように聴こえます。ジャズというよりECMのファンに最適ではないかと。

2762

Glimmer/Nils Okland(Harganger Fidddle, Vln)/Sigbjorn Apeland(Harmonium)(ECM 2762)(輸入盤) - Recorded January and March 2021. - 1. Skynd Deg, Skynd Deg 2. Grat Ikke Sote Pike 3. Valevag 4. O Du Min Immanuel 5. Glimmer 6. Hvor Er Get Godt A Lande 7. O, Venner 8. Se Solens Skjonne Lys Og Prakt 9. Reven Sete Pa Setet 10. Myr 11. Malurt 12. Dempar 13. Rullestadjuvet 14. O Du Min Immanuel(Var.) 15. Nu Solen Gar Ned


(23/07/06)Nils Okland作が5、11-12曲目、Sigbjorn Apeland作が3、10曲目、2人のインプロヴィゼーション(共作)が13曲目、他の曲はおそらくは北欧のトラディショナル。収録時間は47分。ECMでデュオの演奏は、’11年に続き2枚目です。メロディや民族度、ある程度の哀愁はありますが、持続音の楽器の演奏がずっと続くので、少々聴く人を選ぶかも。ジャズ度はなく、完全に民族音楽的なサウンドになっています。こういうアルバムも出るのがECMで、おそらくは持ち込み音源だと思われます。それでもこの哀愁のメロディがたまらん、という人もいるかと思いますし、北欧の(ジャズではなくて)雰囲気を感じるには、これ、という気もします。シンプルな演奏が逆に心の奥まで届くのでは。小品も含めて曲が多く、短かめ。

2761

Pasado En Claro/Anders Jormin(B)/Lena Willemark(Vo, Vln, Viola)/Karin Nakagawa(25-string Koto)/Jon Falt(Ds, Per)(ECM 2761)(輸入盤) - Recorded December 2021. - 1. Mist Of The River 2. Blue Lamp 3. Ramona Elena 4. The Woman Of The Long Ice 5. Wedding Polska 6. Kingdom Of Coldness 7. Angels 8. Petricia 9. Pasado En Claro 10. Glowworm 11. Returning Wave


(23/02/21)1-2、6、8-11曲目がAnders Jormin作曲で、3-5、7曲目はLena Willemark作詞作曲。他の曲の詞に関しては、曲によっていろいろ。収録時間は57分。Lenaの歌もエキゾチックだし、琴もあるので、無国籍的な民族音楽に近いものを感じます。元の詞も中国、スウェーデン、日本、イタリア、メキシコと国際的。持ち込み音源らしく、ちょっとECMにしては、メリハリがややあるなあ、とも思いますが、こういう国際的なサウンド、好きな人が多いのでは。ヴォーカル(しかも英語ではない)の曲がかなり多いので、ちょっと聴く人を選ぶかなあとも。4曲目には一部フリーのアプローチもありますし。琴は日本人。実はこのメンバーでドラムス抜きのアルバムが’15年に出ていて、実質2枚目のアルバムになっています。

2760

Compassion/Vijay Iyer(P)/Linda May Han Oh(B)/Tyshawn Sorey(Ds)(ECM 2760)(輸入盤) - Recorded May 2022. - 1. Compassion 2. Arch 3. Overjoyed 4. Maelstrom 5. Prelude: Orison 6. Tempest 7. Panegyric 8. Nonaah 9. Where I Am 10. Ghostrumental 11. It Goes 12. Free Spirits/Drummer's Song


(24/02/04)3曲目がスティーヴィー・ワンダー作、8曲目がロスコ―・ミッチェル作、12曲目前半がジョン・スタブルフィールド作、後半がジェリ・アレン作の他は全曲Vijay Iyer作。収録時間は65分。このトリオでは2作目で、息の合ったところを見せてくれます。1曲目のようにゆったりと波打つような曲があるかと思えば、2曲目のようにけっこうスピリチュアル的に盛り上がるような曲もあって、変化に富んでいます。変拍子の曲もあるようですけど、分析するのは難しい。曲によってけっこう盛り上がるのですが、ミキシングのせいかスマートに聴こえます。ECMとしてはけっこう自由にさせてもらっているようで、1曲1曲がドラマチックで、あまり平易ではない語り口にしても、引きこまれるものを持っています。なかなか気になる1枚。

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