ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM1101-1150番

1140


Duet/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 1140) - Recorded October 23-25, 1978. - 1. Duet Suite 2. Children's Song No. 15 3. Children's Song No. 2 4. Children's Song No. 5 5. Children's Song No. 6 6. Radio 7. Song To Gayle 8. Never 9. La Fiesta


6年ぶりのデュオ。チック・コリアの曲が7曲とスティーヴ・スワロウの曲が2曲。1曲目は15分台の組曲なのですが、かなり綿密に練られた密度の高いドラマチックな曲です。 部分的にジャズ、スペイン度の高い部分も見えてきますが、この2人ならではの硬質さがあって、しかもかなり盛り上がります。おなじみ「チルドレンズ・ソング」 (2-5曲目)があって、いずれも小品ですが、デュオでも雰囲気が出ています。 6曲目は、この2人にしてはかなりジャジーな展開。こういう展開があってもいいのでは。テーマのメロディがはっきりとしていて、速いアドリブながらやや哀愁を感じる7曲目、渋めなメロディが印象的でややジャジーな部分もある8曲目。そして9曲目は10分台の、おなじみ「ラ・フィエスタ」でゴキゲンな展開になります。

(注)Crystal Silence/The ECM Recordings 1972-79/Gary Burton(Vib)/Chick Corea(P)(ECM 2036-39)で4枚組BOXとして’09年に再発。

1139


In Pas(s)ing/Mick Goodrick(G)(ECM 1139) - Recorded November 1978. John Surman(Ss, Bs, Bcl), Eddie Gomez(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Feebles, Fables And Ferns 2. In The Tavern Of Ruin 3. Summer Band Camp 4. Pedalpusher 5. In Passing


5曲目のみが4人によるフリー・インプロヴィゼーションで、他の曲はミック・グッドリックのオリジナル。メンバーも強力です。ここでは比較的オーソドックスな、しかもやや叙情的な演奏が繰り広げられています。エレキギターの生音に近いトーンが印象的 。個々のアドリブは見せつけてくれる部分もあるのだけれど、全体的に淡々とした印象で進んでいく1曲目、タイトルどおり「廃墟の居酒屋(または宿屋)の中で」という雰囲気の静かなやり取りを聴くことができる11分台の2曲目、やや盛り上がりのある曲調ですがどことなく醒めた感じもある3曲目、出だしがバス・クラリネットでエキゾチックな感じながら、3拍子でのECM流のジャジーな4曲目、全員の即興にしてはメロディアスでまとまりがあり、盛り上がるタイトル曲の5曲目。

1138


Le Voyage/Paul Motian(Ds)(ECM 1138)(輸入盤) - Recorded March 1979. J.F. Jenny-Clerk(B), Charles Brackeen(Ts, Ss) - 1. Folk Song For Rosie 2. Abacus 3. Cabala/Drum Music 4. The Sunflower 5. Le Voyage


(99/01/14)全曲ポール・モチアンの作曲。哀愁を帯びたサウンドの比較的静かな対話、という感じ。フリー・インプロヴィゼーションに近い微妙なバランスの上に成り立っているサウンドを聴くことができます。1曲目は特に「フォークソング」とある通り、哀愁度はかなり高めで、途中やや熱を帯びつつも淡々と語り合います。テーマの後、前半サックスのソロのみ、中盤はベースソロで攻める2曲目、前後で浮遊感のある不安定なテーマがゆったりと奏でられていき、モチアンらしいスコンスコンいうドラムソロが入っている3曲目、ややフリーっぽい展開を示している彼らのペースの4曲目、やはり不安定なメロディによるテーマの、中間部はサックスが冷めた感じで盛り上がる、スペイシーな11分台のタイトル曲の5曲目。

(注)Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)で6枚組BOXとして、’13年に再発。

1137


Fluid Rustle/Ebarhard Weber(B, Tarang)(ECM 1137)(輸入盤) - Recorded January 1979. Bonnie Herman(Voice), Norma Winstone(Voice), Gary Burton(Vib, Marimba), Bill Frisell(G, Balalaika) - 1. Quiet Departures 2. Fluid Rustle 3. A Pale Smile 4. Visible Thoughts


全曲エバーハルド・ウェーバーの作曲。ボニー・ハーマンとノーマ・ウインストン(!)のハーモニーが、楽器的ですが非常に美しい作品。ビル・フリゼール やゲイリー・バートンの参加で、サウンド全体が彼らの色に近づくも、ベースも個性的な音色を聴かせてくれます。1曲目はゆったりとそれぞれの楽器が寄り添いながら、途中幻想的な間をはさんで、比較的淡々とドラマチックに進んでいきますが、何と17分の長さにわたる曲。神秘的なハーモニーと親しみやすい簡単なテーマが印象的な、アドリブ部分は軽く流れていく感じのタイトル曲の2曲目、静けさの中から徐々に浮かび上がってくるスペイシーなサウンドの3曲目、ちょっと重々しいベースのフレーズで不安をあおりながらも、しっとりとした場面もある4曲目。

1136


Solo/Egberto Gismonti(G, P, Voice)(ECM 1136) - Recorded November 1978. - 1. Selva Amazonica/Pau Rolou 2. Ano Zero 3. Frevo 4. Salvador 5. Ciranda Nordestina


ソロ・アルバムですが、ECMの中の同種のアルバムでもちょっと変わった感じ。前面に出てくるのは、リズムや音の流れであり、メロディーが奥に引っ込んでしまっている印象。でも、その流れが美しいと思います。 ブラジルそのものではないけれど、香りがします。1曲目はフォークロアを題材にアレンジをした曲で、邦題も「アマゾンの密林/パウ・ロロウ」となっている、ギターと一部ヴォイスで表現している壮大な20分台の曲。他はエグベルト・ジスモンチの作曲ないしは他の人との共作。ピアノで優しく奏でられていく2曲目、出だしに勢いもあってその後ドラマチックに展開するピアノでの3曲目、ギターでエキゾチックな民族性がほのかに垣間見える4曲目、ピアノの明るい光と憂いがドラマチックに表情を変える5曲目。

1135


Photo With.../Jan Garbarek(Ts, Ss) Group(ECM 1135) - Recorded December 1978. Bill Connors(G), John Taylor(P), Eberhard Weber(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Blue Sky 2. White Cloud 3. Windows 4. Red Roof 5. Wires 6. The Picture


全曲ヤン・ガルバレクのオリジナル。個性的なメンバー が集まっています。特にエバーハルト・ウエーバーのエフェクトのかかったベース音がサウンドを決定づけています。1曲目はヨーロッパの香りがしながらも、タイトルどおりくカラッとしたサウンドで、ビートからもフュージョンタッチのようなサウンド。一転して、出だしでピアノをバックにサックスが叙情的にはじまり、徐々に皆が寄り添って美しいメロディをゆったりと奏でていく2曲目、キメが多く浮遊感を伴うテーマで、ややエキゾチックさを伴いながら進んでいく3曲目、そのエキゾチックさがかなり前面に出てきて自由に盛り上がっていく4曲目、自由なテンポの上を各自のソロがドラマチックに展開していく5曲目、叙情的なしっとり系、しかも寒色系でサウンドを表現する6曲目。

1134

Path/Tom Van Der Geld(Vib)/Bill Connors(G)/Roger Jannotta(Fl, Ss, Oboe)(ECM 1134)(ストリーミング配信) - Recorded February 1979. - 1. One 2. Eevee 3. Joujou 4. Michi 5. Joys And Sorrows

(19/10/18)3曲目のみビル・コナーズ作曲、他は全曲Tom Van Der Geld作曲。基本的に静けさが基調だけど、コナーズのギター(アコースティック)がやはり目立つ感じ。厳かにはじまって、その哀愁というか、10分台の演奏時間のやや盛り上がりや静けさも含めて、改めて広大な音空間がそこにあると感じるドラマチックな1曲目、ほの暗いバラードでゆったりと進んでいく、夢見心地でもある2曲目、コナーズ作曲のせいか少し勢いがあって、この曲のみ元気なように感じてはいる、それでいて浮いている感じではない4曲目、サックスのゆったりとしたソロからはじまる、やはり陰影と盛り上がりのあるドラマチックな11分台のバラードの4曲目、ヴァイブラフォンとオーボエの対比がなかなかのしっとりかっちりの、バラードの6曲目。

(’19年8月より順次配信)

1133


Arcade/John Abercrombie(G) Quartet(ECM 1133) - Recorded December 1978. Richie Beirach(P), George Mraz(B), Peter Donald(Ds) - 1. Arcade 2. Nightlake 3. Paramour 4. Neptune 5. Alchemy


しばらく廃盤だったものの世界初CD化作品。このメンバーでの第1作で、サウンドのクオリティはけっこう高く、しかもまとまっていると思います。 メンバー構成からみても、美しさが感じられる演奏。1曲目はミキシングの影響か、やや冷たい印象ながらも、基本的には彼ら流のジャズが展開されています。この曲はECM流というよりは、リッチー・バイラーク色の強い曲かな、という印象。2曲目はしっとり感の強い、良い意味でのメロディアスな曲。それぞれのパートのメロディが、花びらが舞うような3曲目、流れていくメロディが非常に美しい4曲目。特にこの曲は聴き逃すのはもったいない気も。5曲目は11分台の曲で、ピアノの導入部、そしてギターが入ってきてドラマチックに盛り上がって展開していきます。(01年7月25日発売)

(注)「The First Quartet/John Abercrombie(G)」(ECM 2478-80)として’15年に3枚組CDBOXとして再発。

1132


Codona/Collin Walcott(Sitar, Per, Voice)/Don Cherry(Tp, Fl, Voice)/Nana Vasconcelos(Per, Voice)(ECM 1132)(輸入盤) - Recorded September 1978. - 1. Like That Of Sky 2. Codona 3. Colemanwonder a) Race Face b) Sortie c) Sir Duke 4. Mumakata 5. New Light


(01/03/28)パーカッションを演奏するミュージシャンが2人とホーンが1人の、変わった編成のトリオ。全5曲のうち、コリン・ウォルコットが3曲提供しているので、彼がリーダーかも。1曲目はフルートのメロディが日本の音楽を連想させるような、とは言うもののパーカッションが無国籍的な、11分台の大作。やはり日本的なフレーズの、フリー・インプロヴィゼーションと思われる2曲目、ちょっとアヴァンギャルドでユーモラスな、オーネット・コールマンとスティーヴィー・ワンダーの曲をメドレーで演奏する3曲目、無国籍的なパーカッションの上をヴォイスやトランペットが時々絡んで盛り上がっていく4曲目。そして、牧歌的に明るく盛り上がり、かつドラマチックに進行するこれまた13分台の大作の5曲目。

(注)Don Cherry(Tp, Doussin'gouri, Fl, Org, Melodica, Voice)/Nana Vasconcelos(Belinbau, Cuica, Talking Drum, Per, Voice)/Collin Walcott(Sitar, Tabla, Hammered Dulcimer, Sanza, Timpani, Voice)/The Codona Trilogy(ECM 2033-35)として3枚組BOXとして’08年に再発。

1131


New Chautauqua/Pat Metheny(G, B)(ECM 1131) - Recorded August 1978. - 1. New Chatauqua 2. Country Poem 3. Long Ago Child/Fallen Star 4. Hermitage 5. Sueno Con Mexico 6. Daybreak


全曲パットメセニーのオリジナル。一人多重録音によるアルバムなので、フュージョン、フォーク色の強いものから、静かなサウンドまでさまざまな曲がありますが、やや内側を向く傾向。1曲目はエレキベースも交えてノリの良いゴキゲンな、パット風フュージョンとでも言うべきタイトル曲で、リードギターもいつものペースで冴え渡っています。アコースティック・ギターでほのぼのと牧歌的で詩情豊か、まさにカントリー的な2曲目、スペイシーな中に幻想的な和音が響き渡って、淡々とメロディが綴られていく10分台の3曲目、しっとり系のフォークとでも言うべき、哀愁漂う4曲目、やはり淡く蒼めの色彩感覚でせまってくるフォーク調の5曲目、しっとりと静かにはじまって、後半エレキベースも入って印象的なメロディで進んでいく6曲目。(02年9月19日発売)

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