ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM1301-1350番

1338


We Begin/Mark Isham(Tp, Flh, Synth, Per, etc)/Art Lande(P, Synth, Per)(ECM 1338)(輸入盤) - Recorded January 1987. - 1. The Melancholy Of Departure 2. Ceremony In Starlight 3. We Begin 4. Lord Ananea 5. Surface And Symbol 6. Sweet Circle 7. Fanfare


(99/08/15)マーク・アイシャムが2曲、アート・ランディが4曲作曲。多重録音、あるいはシンセサイザーも使用して、当時としてのデュオのあり方を探るアルバム。 なかなか興味深い録音です。全て2人あるいはそれぞれのオリジナル。1曲目は打ち込み(と思われる)パーカッション(ドラム)の定型的なリズムの上をたゆたう旋律。2曲目は、なぜか水琴窟のCDを聴いたときのような不思議なサウンド。3曲目もシンセサイザーをバックに、美しいメロディが流れます。4曲目も1曲目と同じような印象の曲。5曲目 は2人の合作ですが、シンセサイザーの上をゆっくりと旋律がさまよっている感じです。6曲目はピアノソロで、聴いていて安らぎます。7曲目は効果的にシンセサイザーを使用して、曲の緊張感を醸し出しています。

1337


Somewhere Called Home/Norma Winstone(Voice)(ECM 1337)(輸入盤) - Recorded July 1986. John Taylor(P), Tony Coe(Cl, Ts) - 1. Cafe 2. Somewhere Called Home 3. Sea Lady 4. Some Time Ago 5. Prologue 6. Celeste 7. Hi Lili Hi Lo 8. Out Of This World 9. Tea For Two


(03/07/26)スタンダードもあったりミュージシャンの曲に詞をつけたりと、ECMにしては少々変わったヴォーカル・アルバム。エグベルト・ジスモンチ作の優しく静かな、浮遊感も漂うメロディの1曲目、まるでオリジナルかのような歌で間奏のクラリネットの盛り上がりが見事なタイトル曲の2曲目、ケニー・ホイーラー作の蒼く沈んだメロディが印象的な3曲目、静かでありながら速いパッセージのクラリネットが間奏で絡む4曲目、ビル・エヴァンス作の美しいメロディを持っている5曲目、ラルフ・タウナー作の、しっとりした歌を聴くことができる6曲目、透明感の高いヴォーカルやピアノが流れる7曲目。8-9曲目は有名なスタンダードですが、完全にノーマ・ウィンストン流に、あるいはECM流に消化してしまっています。

1336


Do You Be/Meredith Monk(Vo, Synth, P)(ECM New Series 1336)(輸入盤) - Recorded June 1986 and January 1987. Robert Een(Vo), Ching Gonzalez(Vo), Andrea Goodman(Vo), Wayne Hankin(Vo, Key, Bagpipes), Naaz Hosseini(Vo, Vln), Nicky Paraiso(Vo), Nurit Tilles(Vo, P, Synth), Johanna Arnold(Vo), John Eppler(Vo), Edmund Niemann(Vo, P) - 1. Scared Song 2. I Don't Know 3. Window In 7's 4. Double Fiesta 5. Do You Be 6. Panda Chant 1 7. Memory Song 8. Panda Chant 2 9. Quarry Lullaby 10. Shadow Song 11. Astronaut Anthem 12. Wheel


(03/11/18)全曲メレディス・モンクの作曲。伴奏のある曲、ない曲、メレディス・モンクがひとりで歌っている曲、複数で合唱している曲などさまざまですが、モンクの突き刺さるようなエキゾチックなヴォイスはここでも健在。パフォーマンスのようで、現代音楽というよりはある種の実験的な音楽にも聴こえます。不思議な世界。3曲目はインストルメンタルの小品。後半複数でのヴォイスの曲が多いですが、やはりパフォーマンスに近いか。

1335


Exploded View/Steve Tibbetts(G, Per, Tapes)(ECM 1335)(輸入盤) - Recorded 1985 - 1986. Marc Anderson(Per, Steel Ds), Bob Hughes(B), Marcus Wise(Tabla), Claudia Schmidt(Voice), Bruce Henry(Voice), Jan Reimer(Voice) - 1. Name Everything 2. Another Year 3. A Clear Day And No Memories 4. Your Cat 5. Forget 6. Drawing Down The Moon 7. The X Festival 8. Metal Summer 9. Assembly Field


(03/07/26)単独または合作によるオリジナル。パーカッションの多い楽器編成とギターが特色。1曲目はパーカッションをバックにエレキギターが切れ込んでくる不思議な感触の曲。フォークソングのようでエレキギターやパーカッションがかぶさって大きく展開する2曲目、出だしにヴォイスが入ってエキゾチックでドラマチックなフォークに仕上がっている3曲目、この編成で素朴な味から壮大なサウンドまで引っ張っていってしまう4曲目、パーカッションが基調でヴォイスやエレキギター、テープの実験的な音も入った小品の5、7曲目、パーカッションの効いたどことなく東洋的なメロディの6曲目、哀愁の漂うメロディとメリハリのあるリズムが対照的な8曲目、エキゾチックなヴォイスのメロディのあとにソロ・ギターで終わる9曲目。

1333


Spirits/Keith Jarrett(P, Fl, Per, etc.)(ECM 1333/34) - Recorded July 1985. - Disc1 Spirits 1-12 Disc2 Spirits 13-26


ピアノはあまり出てこなくて、様々な楽器(民族楽器が多い)を使用した一人多重録音。 楽器はPakistan Flute, Tablas, Shakers, Recorders: Sopranino, Soprano, Alto, Tenor, Bass, Great Bass, Vermont "Folk" Flute, Voice, Soprano Saxophone, Piano, Guitar, Miniature Glockenspiel, Small Tanbourine, Double Cowbell, Naz。西欧も含んでいる、無国籍(やや中南米寄り?)な民族音楽に聞こえます。 彼はこういう原初的なサウンドも持っているんだということを認識させられる2枚組。曲ごとにさまざまな表情を見せています。ECMには、キース・ジャレットのこういうCDがあってもいいかも、というのが多くて、結局やりたい放題なのね、という気もします。ただ、後半に行くにしたがって彼の西欧的な部分が多くなっている気も。

1330


Paul Hindemith: Sonatas For Viola/Piano And Viola Alone/Kim Kashkashian(Viola)/Rovert Levin(P)(ECM New Series 1330-32)(輸入盤) - Recorded 1985-86. - 1-3. Sonate Fur Viola Solo Op.31 Nr.4 4-7. Sonate Fur Viola Solo Op.25 Nr.1 8-10. Sonate Fur Viola Solo 11-14. Sonate Fur Viola Solo Op.11 Nr.5 15-17. Sonate Fur Viola Und Piano Op.11 Nr.4 18-20. Sonate Fur Viola Und Piano Op.25 Nr.4 21-24. Sonate Fur Viola Und Piano


(03/11/16)LP3枚組がCDでは2枚組(約127分)。CDでは1枚目がヴィオラのソロ、2枚目がヴィオラとピアノのデュオと、区切りが良くなっています。Paul Hindemith の20世紀前半(第2次大戦前)の頃の作品集。現代の音楽ほど難解な表情ではないにしても、かなり難しそうな旋律を弾ききっているKim Kashkashianのヴィオラは、なるほど、スゴいです。寒色系だけれど、深く、カラフル。デュオの方が私にはややなじみやすい感触がします。

1329


Whiz Kids/Gary Burton(Vib) Quintet(ECM 1329) - Recorded June 1986. Makoto Ozone(P), Tommy Smith(Sax), Steve Swallow(B), Martin Richards(Ds) - 1. The Last Crown 2. Yellow Fever 3. Soulful Bill 4. La Divetta 5. Cool Train 6. The Loop


邦題「神童」。ゲイリー・バートンの作曲はなし。小曽根真がメンバーとして参加した2作目。しかも2曲提供していて、それがすごくいい曲だったりします。編成もサックスを交えたクインテットなので、比較的オーソドックスに聴こえます。1曲目は比較的ゆったりとした都会的な夜のイメージのフュージョンのような感じ。ライト感覚で明るい雰囲気を持って、リズム的なキメも多くてカッコよいラテン系(になるのかな)の2曲目、出だしはソフトなバラードで、メロディアスに展開してやや盛り上がっていく8分の6拍子の3曲目、やはりちょっと変わった雰囲気で明るめなラテンの4曲目、どちらかと言うと淡い感じのサウンドなのだけれども曲としてはやや元気な5曲目、チック・コリアの8分の6拍子の曲を彼ら流にややソフトに演奏する6曲目。

1327


Power Spot/Jon Hassell(Tp)(ECM 1327)(輸入盤) - Recorded October 1983 and December 1984. J.A. Deane(Per, Afl), Jean-Philippe Rykiel(Key), Michael Brook(G, Electric Treatments), Richard Horowitz(Key), Brian Eno(B), Richard Armin & Paul Armin(RAAD Electro-Acoustic Strings), Miguel Franconi(Fl) - 1. Power Spot 2. Passage D.E. 3. Solaire 4. Miracle Steps 5. Wing Melodies 6. The Elephant And The Orchid 7. Air


(03/07/13)プロデューサーとベース(3、5曲目に参加)にブライアン・イーノの名前が見えますが、なるほど、これがアンビエントの音楽か。いわゆるジャズ度はなく、楽器や音から判断すると、全体的に打ち込み度は高いです。起伏があまりなく、どの曲も似た印象。打ち込みの洪水の中を繰り返されるメロディと言えるか反復か、というタイトル曲の1曲目、エスニックなゆったりしたリズムの上を流れるキーボード、時折り出てくるフレーズの2曲目、パターンは似ていて、ややメロディが出てくる3曲目、リズムは淡々としているけれどキーボードの動きが割とはっきりしている4曲目、タイトルどおり「翼のメロディ」を思わせる5曲目、ややエキゾチックながら11分間淡々と続く6曲目、やはり淡々と進んでいく7曲目。

1326


Avant Pop/Lester Bowie's Brass Fantagy(Tp)(ECM 1326) - Recorded March 1986. Stanton Davis(Tp), Malachi Thompson(Tp), Rasul Siddik(Tp), Steve Turre(Tb), Frank Lacy(Tb), Vincent Chancey(French Horn), Bob Stewart(Tuba), Phillip Wilson(Ds) - 1. The Emperor 2. Saving All My Love For You 3. B Funk 4. Blueberry Hill 5. Crazy 6. Mocho (Dedicated To Machito), 7. No Shit 8. Oh, What A Night


レスター・ボウイの作曲は全8曲中2曲(3、7曲目)、メンバーのスティーヴ・ターレ作も2曲(1、6曲目)。半分ほどの曲が有名なポップスの曲で、それをブラス・セクションとドラムで演奏。人数の割にはスケールの大きいサウンドのような気が します。曲はポップ、サウンドはアヴァンギャルド風。ややスペイシーな出だしではじまり変幻自在に動いていく1曲目、メロディを聴いただけで分かる有名な曲を落ち着いたアレンジでの2曲目、カッコ良いスピーディなファンク、ブラス風の3曲目、ミディアムでメロディアスなポップスの4曲目、明るいメロディが開放感のある5曲目、ラテンノリでゴキゲンな感じの6曲目、唯一4ビートで明るめなアプローチのニューオリンズ的な7曲目、ポップな雰囲気を持ちつつナレーションも入る8曲目。

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