ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM1951-2000番

1988


Valentin Silvestrov/Bagatellen Und Serenaden(ECM New Series 1988)(輸入盤) - Recorded February 2006. Valentin Silvestrov(P), Alexei Lubimov(P), Munchener Kammerorchester, Christoph Poppen(Cond) - 1-14. Bagatellen 15. Elegie 16-18. Stille Musik 19-20. Abscjoedsserenade 21. Der Bote 22-24. Zwei Dialoge Mit Nachwort


(07/09/24)Valentin Silvestrovは20-21世紀ウクライナのキエフ出身の現代音楽家。ここでは’00年以降の作曲も多くなっています。また、1-14曲目では34分にわたり、作曲者自身のピアノでの演奏。繊細でリリカルなピアノの旋律で、静かな感じです。他のオーケストラ作品は寒色系で温度感が低い現代音楽の難解な旋律を含むものが一部と、もうすこし温かく叙情的で穏やかな演奏と、さまざまです。思索的な方向性は同じか。

1987


On The Wing/Stephan Micus(All Instruments)(ECM 1987)(輸入盤) - Recorded 2003 - 2006. - 1. On The Wing 2. Winterlight 3. Gazelle 4. Blossoms In The Wind 5. The Bride 6. Ancient Trees 7. In The Dancing Snow 8. The Gate 9. Turquoise Fields 10. Morning Sky


(06/11/02)相変わらず民族楽器を中心に、1人多重録音の世界(楽器はSatta, Mudbedsh, Classical Guitar, Nay Sho, Hne Suling, Tibetans Cymbals, Korean Gong, Burmese Gong, Hang, 14-string Guitar, Steel String Guitar, Shakuhachi, Sitar)。いろいろな楽器が混ざっているので、無国籍的な民族音楽というのは相変わらずです。シンプルな楽器編成で小品的な素朴な味わいの曲もあれば、5-6曲目のように、ややサウンドに厚みがあって、壮大とまではいかないにしても、大きな音世界だなあ、と思わせる曲もあったりします。8曲目のみはシタールのソロで、それでも4分続きます。大半はゆったりとしていて、少しエキゾチックな流れていくようなサウンドが続きます。ジャズ色は全くなく、これぞヒーリングの世界でしょうか。

1986


Rain On The Window/John Surman(Bs, Ss, Bcl)/Howard Moody(Pipe Org)(ECM 1986)(輸入盤) - Recorded January 2006 - 1. Circum 1 2. Stained Glass 3. The Old Dutch 4. Dancing In The Loft 5. Step Lively! 6. Stone Ground 7. Tierce 8. Circum 2 9. Rain On The Window 10. Dark Reeds 11. O Waly Waly 12. A Spring Wedding 13. I'm Troubled In Mind 14. On The Go 15. Pax Vobiscum


(08/06/22)管楽器とパイプオルガンによるデュオの演奏。トラディショナルが2曲(11、13曲目)と2人の共作(4-5、10曲目)の他はそれぞれの作曲。フレーズはインプロヴィゼーションの比率が高いのでしょうが、いわゆるジャズ色はほとんどなく、荘厳なゆったりとしたクラシックの演奏を聴いているような場面もけっこう多いです。もともとジョン・サーマンはそういう暗めの叙情性のサックス(時にバス・クラリネット)の人ですから、フレーズがバップ要素がないです。自由に舞い飛んではいても、クラシックやフォーク的なフレーズのように聴こえます。5曲目のようにやや激しめの曲も。11、13曲目は他の曲と違って明るいホンワカしたサウンドでゆったりしていて心地よい。12曲目もタイトルからか明るめ。漂い感を聴けるサウンド。

1985


Vladimir Godar/Mater(ECM New Series 1985)(輸入盤) - Recorded September 2005. Iva Bittova(Voice), Milos Valent(Vln, Viola), Bratislava Conservatory Choir, Dusan Bill(Choir Master), Slamente Naturali, Marek Stryncl(Cond) - 1. Maykomashmalon 2. Magnificat 3. Uspavanky 4. Ecce Puer 5. Stala Matka 6. Regina Coeli 7. Maykomashmalon


(06/11/21)邦題は「マテル-聖母-」。Vladimir Godarは20-21世紀のスロヴァキアの現代音楽家。宗教的な題材をとっていて、録音場所も教会ということで、厳かな歌が続きます。宗教的な題材で癒されると書くのは間違いなのかもしれませんが、まさにそんな雰囲気も。ただ、温度感はわずかに温かめなのかも。1、7曲目は同じ曲でヴァージョン違い、しかもこの曲のみ3人(ヴォイス、弦楽器2人)。しかしこのレーベルらしい静けさも。(06年12月20日発売)

1984


Vossabrygg/Terje Rypdal(G)(ECM 1984) - Recorded April 12, 2003. Palle Mikkelborg(Tp, Synth), Bugge Wesseltoft(Key, Synth), Stale Storlokken(Org, Key, Synth), Marius Rypdal(Electronics, Samples, Turntables), Bjorn Kjellmyr(B), Jon Christensen(Ds), Paolo Vinaccia(Ds) - Vossabrygg Po.84 1. Ghostdancing 2. Hidden Chapter 3. Waltz For Broken Hearts/Makes You Wonder 4. Incognito Traveller 5. Key Witness 6. That's More Like It 7. De Slagferdige 8. Jungeltelegrafen 9. You're Making It Personal 10. A Quiet Word


ライヴ録音で、全曲テリエ・リピダル作曲。マイルス・デイヴィス、特に「ビッチェズ・ブリュー」と、その共演者に捧げられた音楽、とのこと。キーボードやオルガンの使い方など、まさに。特に18分もの1曲目が雰囲気が、渋い当時のエレクトリック・サウンドに近く、そこにギターが盛り上げていきます。カッコ良さのあるはっきりしたビートを持つ2曲目、エレクトリックなスペイシーさを持つバラードの3曲目、サンプリングを大胆に取り入れたと思われる4曲目、小品ですが緊張感のある5曲目、抑制された懐かしいドラマチックなエレクトリック・サウンドの6曲目、ドラムスのみの小品の7曲目、それプラステンポの良いリズムとトランペットの8曲目、重いベース音と牧歌的なメロディからハードになる9曲目、静かに漂っていく10曲目。(06年3月15日発売)

1983


Vaghissimo Ritratto/Gianluigi Trovesi(Cl)/Umberto Petrin(P)/Fulvio Maras(Per)(ECM 1983)(輸入盤) - Recorded December 2005. - 1. Primo Apparir 2. L'Orfeo 3. Grappoli Orfici 4. Mirage 5. Secondo Apparir 6. Al Primo Vostro Sguardo 7. The Lover's Appeal - Terzo Apparir 8. Angelia 9. El Grillo 10. Particolare De J. Donne 11. Amsterdam 12. Serenata - Matona Mia Cara 13. My Little Maid And I 14. Canto Vago 15. Far, Far Away 16. Vaghissimo Ritratto


(07/03/11)Gianluigi Trovesi作は3曲目、Umberto Petrin作は14曲目。Fulvio Maras作の10曲目はパーカッションが効いて現代的なアレンジ。そして3人のフリー・インプロヴィゼーションが1、4-5、7後半、12前半、16曲目とあり、他は16世紀から20世紀にかけてのおそらくイタリア人作曲家の作品。楽器編成からかジャズ色はほとんどなく、クラシックやバロックのサウンドの香り、時にポップス的(13、15曲目)。こういう世界もイタリア的ですが、クラシックに近い聴き方が多いアルバムでは。ただ、フリー・インプロヴィゼーションもアヴァンギャルドではないにしても緊張感をともなう現代的なサウンド(4-5曲目、特にタイトル曲の16曲目は。)になっていて、場合によって民族音楽的な香りも。記譜された世界とアドリブのはざま。 (07年4月25日発売 邦題「懐かしい風景」)

1982


The Words And The Days/Enrico Rava(Tp) Quintet(ECM 1982)(輸入盤) - Recorded December 2005. Gianluca Petrella(Tb), Andrea Pozza(P), Rosario Bonaccorso(B), Roberto Gatto(Ds) - 1. The Words And The Days 2. Secrets 3. The Wind 4. Echoes Of Duke 5. Tutu 6. Spgni Proibiti 7. Todamor 8. Serpent 9. Art Deco 10. Traps 11. Bob The Cat 12. Dr. Ra And Mr. Va


(07/03/08)Enrico Ravaの作曲は12曲中8曲(1-2、4-5、7-8、11-12曲目)。イタリアのECM的クインテットという感じで、温度感は低いながらも、地域性がにじみ出る感じです。透明感のある、やや醒めたゆったりとした、時に突き抜けるようなフレーズがある曲が多め。まろやかなトランペットが、冷たいバックで淡々と語りかけてくるようなゆったりとしたタイトル曲の1曲目、ゆらゆらとさまよってから盛り上がりを見せる2曲目、珍しく中盤で4ビートが出てきてジャズっぽいアプローチが続く4曲目、交替しながら少人数の演奏でミステリアスな香りを振りまいている8曲目、ドン・チェリー作のホーン2本のデュオでちょっとジャジーな絡みがある9曲目、珍しく陽気なジャズの10曲目、メランコリックと鋭さを併せ持つ12曲目。 (07年3月21日発売)

1981


The Wind/Kayhan Kalhor(Kamancheh)/Erdal Erzincan(Baglama)(ECM 1981)(輸入盤) - Recorded November 2004. Ulas Ozdemir(Divan Baglama) - The Wind: 1-12. Part 1-12


(06/11/23)ペルシャやトルコの音楽に基づいたインプロヴィゼーションとのことです。アレンジは表題の2人で、プロデュースはKayhan Kalhorとマンフレート・アイヒャーがやっています。インプロヴィゼーションではあるけれど、その範疇は完全にその方面の民族音楽です。アレンジも施されているようですが、やり取りに緊張感をはらんでいるものの、完全にあっち側の世界を行きつ戻りつしているサウンド。静かな場面、盛り上がる場面もそれぞれに、中近東の西の方のサウンドはこうなっているのかと思わせるものが。現地では現代でもこういう音楽なのか、古典音楽なのかは分かりませんが。それにしてもこの深い哀愁とエキゾチックなサウンドには、心のひだに入り込んでくるような要素もあって、惹かれるものがあります。

1980


Lontano/Tomasz Stanko(Tp) Quartet(ECM 1980) - Recorded November 2005. Marcin Wasilewski(P), Slawomir Kurkiewicz(B), Michael Miskiewicz(Ds) - 1. Lontano 1 2. Cyrhla 3. Song For Ania 4. Kattorna 5. Lontano 2 6. Sweet Song 7. Trista 8. Lontano 3 9. Tale


トーマス・スタンコの曲は5曲(2-3、6-7、9曲目)、4人の長めのインプロヴィゼーションが3曲(1、5、8曲目)。叙情的な世界を垣間見せてくれます。静かな耽美的な世界が繰り広げられた後に、ちょっと激しいやり取りも聴かれる1曲目、哀愁たっぷりにトランペットがせまってくる、やや前のめりのビートと静かな場面の2曲目、静かながら牧歌的で光が当たった像の陰影が見える3曲目、クリストフ・コメダ作の、ちょっと激しいビートの上を彷徨うホーンやピアノの4曲目、色合いは違えど、しっとりとした薄暮の世界から、時々丁々発止のアドリブが浮かび上がる5、8曲目、哀愁と、やや感触の温かい、盛り上がりのあるバラードの6曲目、どことなくまったりと進んでいく7曲目、悲しみが静かに沈んでいくような再演曲の9曲目。(06年8月30日発売)

1979


Nostarghia - Song For Tarkovsky/Francois Couturier(P)(ECM 1979)(輸入盤) - Recorded December 2005. Anja Lechner(Cello), Joen-Marc Larche(Ss), Jean-Louis Matinier(Accordion) - 1. Le Sacrifice 2. Crepusculaire 3. Nostarghia 4. Solaris 1 5. Miroir 6. Soralis 2 7. Andrei 8. Ivan 9. Stalker 10. Le Temps Scelle 11. Toliu 12. L'eternal Retour


(06/11/02)タルコフスキーの映画音楽集と思ったら、主にFrancois Couturierの作曲で、3曲参加者のインプロヴィゼーション(4、6、8曲目)。ただ、映画音楽にインスパイアされてできた曲も。変則的なクァルテットで、静かで格調高く、しかもどんよりとしたかの地の気候をそのままサウンドにしたような色調の演奏。曲によって参加しない人も。1曲目から繊細な沈んだ音で心に寄り添って来たかと思うと、時に静寂を乱す不協和音。ジャズというよりは現代音楽に近い雰囲気を持っています。3曲目はタイトル曲でややエキゾチックな各楽器が印象的ですが、やぱりアルバム全体の流れを通り過ぎて行きます。インプロヴィゼーションの曲はややそれらしい。8、10曲目はスピーディー、9曲目はうごめきながら盛り上がっています。

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