ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM2350-2400番

2379

Dino Saluzzi/Imagenes/Horacio Lavandera(P)(ECM New Series 2379)(輸入盤) - Recorded October 2013. - 1. Imagenes 2. Los Recuerdos 3. Montanas 4. Romance 5. La Casa 13   6. Claveles 7. Moto Perpetuo 8. Media Noche 9. Vals Para Verenna 10. Donde Nachi

(15/06/17)ディノ・サルーシはアルゼンチンのバンド・ネオン奏者で、ECMから多くのアルバムを発表してます。彼の’60年から’02年にかけての曲でピアノ用に作曲されたものをHoracio Lavanderaがピアノで弾いたアルバム。サルーシ特有の哀愁とか、乾いた白っぽさの雰囲気の場面も残しつつ。クラシック/現代音楽的に響く場面も多いですが、これもアルバムとして聴いて納得の音。New Seriesからの発売は記譜されたものだからか。

2378

Morton Feldman/Erik Satie/John Cage/Rothko Chapel(ECM New Series 2378)(輸入盤) - Recorded May 2012 and February 2013. Kim Kashkashian(Viola), Sarah Rothenberg(P, Celeste), Steven Schick(Per), Houston Chamber Choir, Robert Simpson(Cond) - Morton Feldman: 1. Rothko Chapel 2. Erik Satie:Gnossienne No.4   3. John Cage:Four2   4. Erik Satie: Ogive No.1   5. John Cage:Ear For EAR (Antiphonies)   Erik Satie: 6. Ogibe No.2 7. Gnossienne No.1   8. John Cage:Five 9. Erik Satie: Gnossienne No.3   10. John Cage: In A Landscape

(15/10/22)Morton FeldmanとJohn Cageは20世紀アメリカの現代音楽家。Erik Satieは19-20世紀フランスの作曲家。フェルドマンの静かな、26分にも及ぶ現代音楽の1曲目を、演奏家を総動員して1曲目に配し、その後サティの曲をピアノで、ケージの曲を主にコーラス(10曲目のみピアノで)で、ほぼ交互に配している独特な構成。ケージの曲も10曲目以外は’80-90年代作曲ですが穏やか。現代音楽色とサティとの混交です。

2377

The Half-Finished Heaven/Sinikka Langeland(Kantele, Vo)(ECM 2377)(輸入盤) - Recorded January 2013. Trygve Seim(Ts), Lars Anders Tomter(Viola), Markku Ounaskasi(Per) - 1. Hare Rune 2. The Light Streams In 3. The White Burden 4. The Half-Finished Heaven 5. The Woodcock's Flight 6. Caw Of The Crane 7. The Tree And The Sky 8. The Magical Bird 9. Hymn To The Fly 10. Animal Miniatures 11. The Blue Tit's Spring Song 12. Animal Moment

(15/02/25)全曲Sinikka Langelandの作曲で、2、4、7曲目にはヴォーカルで登場、歌詞がついています。Tomas Transtromerの詩で、北欧のフォークソングの要素と、ボーダーレスなジャズ、クラシック的なものへの接近も参加メンバーから見られ、ECM的にいい感じのサウンドに仕上がっています。1曲目のインストルメンタルも5拍子だし。3曲目はサックスがゆったりと吹いていて、メンバーとの相性もなかなか。タイトル曲の4曲目もゆったりとしていて、割と静かに進んで行きます。哀愁のメロディが奏でられていく6曲目、明るめのメロディとほのかな郷愁が見える7曲目。北欧の香りも高いですが、ヴォーカルの曲が少なめなので、他のジャンルとのボーダーレスな演奏も、見られます。10-12曲目はインプロヴィゼーション的。

2376

Euripides/Medea/Ereni Karaindrou(Comp, Voice)(ECM 2376)(輸入盤) - Recorded June 2011. Sokratis Sinopoulos(Constantinople Lute and Lyra), Harris Lambrakis(Ney), Nikos Guinos(Cl), Marie-Cecile Boulard(Cl), Alexandros Arkadopoulos(Cl), Yiorgos Kaloudis(Cello), Andreas Katsigiannis(Santouri), Andreas Papas(Bendir), Female Chorus, Antonis Kontogeorgiou(Chorus Director) - 1. Argo's Voyage 2. Ceremonial Procession 3. On The Way Of Exile 4. The Haze Of Mania 5. Medea's Lament I 6. Woman Of Mourning 7. Medea's Lament II 8. Loss 9. Backwards To Their Sources 10. A Sinister Decision 11. Love's Great Malevolence 12. For The Sake Of A Greek's Words 13. Do Not Kill Your Children 14. An Unbearable Song 15. All Hope Is Lost 16. The Night Of Killing 17. Silence

(14/02/08)全曲エレニ・カラインドルーの作曲。Giorgos Cheimonasの詩を使っている曲が7曲(5、7、9、11、13、15、17曲目)。民族楽器の多用と、そのサウンドからして、ジャズ色はなくて、完全にヨーロッパの民族音楽の位置付けなのですが、便宜上ジャズに区分しておきます。クラシック的な要素も入ってはいますが。45分ほどに17曲と、短い曲が続きますが、過去の一連の映画音楽作品のように、深い哀愁が漂う寒色系の暗めなサウンドが続きます。詩のある曲が女声コーラスが入っている曲で、その曲もギリシャの哀愁を表しているようです。メデアとは古代ギリシャのエウリピデスの悲劇なので、この暗いサウンドは、できるべくしてできたと言うべきかも。今でも民族性豊かなサウンドが、その地では生き続けています。

2375

Kim Kashkashian(Viola)/Lera Auerbach(P, Comp)/Arcanum(ECM New Series 2375)(輸入盤) - Recorded October 2013. - 1-24. Dmitri Shostakovich / Lera Auerbach: 24 Prelude Op.34 transcripted For Viola and Piano   25-28. Lera Auerbach: Arcanum

(16/10/14)Lera Auerbachはロシアの作曲家でピアニスト。ドミトリー・ショスタコーヴィチの「24の前奏曲」(1933年)を彼女がヴィオラとピアノ用に編曲して(’10年)演奏しています。もともとはピアノ独奏の曲。そして彼女自身が曲を書き、ピアノも演奏する「Arcanum」。両方とも、ヴィオラのKim Kashkashianを想定して書かれたとのこと。なるほどヴィオラのある種の哀愁が生かされているような気も。現代音楽でも、聴きやすさはあるかも。

2374

Meredith Monk/Piano Songs(ECM New Series 2374)(輸入盤) - Recorded April 2012. Ursula Oppens(P), Bruce Brubaker(P) - 1. Onsolete Objects 2. Ellis Island 3. Folkdance 4. Urban March (Shadow) 5. Tower 6. Paris 7. Railroad (Travel Song) 8. Parlour Games 9. St. Peterburg Waltz 10. Window in 7's 11. Totentanz 12. Phantom Waltz

(14/05/10)メレディス・モンクが全曲作曲。今回は作曲のみで、声楽作品をピアノ化したとのこと。2人の、あるいは1人のピアノの演奏にまかせてしまっています。1-5、8、11-12曲目が2人の演奏、Ursula Oppensのみが6、9曲目、Bruce Brubakerのみが7、10曲目。古くは’71年作から、新しいのは’06年作まで。2曲目で時に拍手と声が入っているのはモンクか。フレーズの繰り返しが多く見られて、ミニマル的な感じも何となくします。

2373

Play Blue/Paul Bley(P)(ECM 2373)(輸入盤) - Recorded August 2008. - 1. Far North 2. Way Down South Suite 3. Flame 4. Longer 5. Pent-Up House

(14/04/12)1-4曲目がポール・ブレイの曲で、5曲目がソニー・ロリンズの曲。オスロ・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ。鋭利で研ぎ澄まされた部分も多いけれど、丸くなってきた部分も少し。1曲目は17分もの曲で、構成力はけっこうあり、最初からしばらくの間はコード進行がはっきりと分かる演奏なので、柔らかい演奏に変わってきたのかな、との印象も。そして途中、突然のフリー的な演奏に突入しつつ、コード的な演奏と行きつ戻りつは健在。2曲目も15分台。硬質な面と優しい面を併せ持つようなサウンド。静かにはじまり盛り上がっていきます。牧歌的なバラードからフリー的な演奏に行ったりいろいろ変化する3曲目、ゆったり陰影のあるところからやはり変化していく4曲目、人の曲もあくまでも自分流に料理していく5曲目。

2372

Mutations/Vijay Iyer(P, Electronics)(ECM 2372)(輸入盤) - September 2013. Miranda Cuckson(Vln), Michi Wiancko(Vln), Kyle Armbrust(Viola), Kivie Cahn-Lipman(Cello) - 1. Spellbound And Sacrosanct, Cowrie Shells And The Shimmering Sea 2. Vuln, Part 2   3-12. Mutations I-X 13. When We're Gone

(14/03/13)全曲ヴィジェイ・アイヤーの作曲。1曲目がピアノ・ソロ、2、13曲目がピアノとエレクトロニクス、3-12曲目の組曲がそれに加えてストリング・クァルテットの曲。やはりECMなだけあって、編成も含めて、聴こえてくるピアノも静かなのが基調で、かなりクラシック寄りの感じを受けます。変拍子(あるような感じですけど)だったり、破天荒なところもあったりというのは少し影をひそめて、別人のピアノにも聴こえます。ただ、ECMファンとしてはけっこういい感じのサウンドかも。エレクトロニクスの使い方も派手ではないけど、効果的に使用している感じ。タイトル曲の組曲の3-12曲目は、アンサンブルは現代音楽の要素が強く感じられ、しかも反復が多少多めのような気も。聴く人を選ぶでしょうけど、ボーダーレスなところがいい。

2371

Makrofauna/Vilde Sandve Alnaes(Vln) & Inga Margrete Aas(B)(ECM 2371)(輸入盤) - Recorded June 2012. - 1. Under Bakken 2. Sarand 3. Makrofauna 4. Arringer I 5. Rotter 6. I Traer 7. Loss 8. Arringer II 9. Roys 10. Jordslag 11. Arringer III

(14/04/13)全曲2人でのフリー・インプロヴィゼーション。2人はノルウェー出身とのこと。ゆったりしつつも、1曲目はベースのアルコの中、ヴァイオリンは指で音階でないところをはじいたり、これも非イディオム系のフリーに近いと思います。写真を見ると2人とも若そうだけど、やっていることはかなり硬派な感じ。その後、ベースはピチカートの曲もあるけれど、メロディに近づかないフレーズを弾きつつ、ヴァイオリンは弦を擦ったりする音の連続だったり、悲鳴のような音が続いたり、実験的な要素は強いです。もちろん普通にヴァイオリンを弾く場面はあるけれど、やはり非メロディ的だったり持続音的な表現が中心。時に楽器を叩く音もパーカッション的に響いてきます。7曲目がいちばん普通に聴こえたり。やはり聴く人を選ぶと思います。

2370

El Valle De La Infancia/Dino Saluzzi(Bandneon) Group(ECM 2370)(輸入盤) - Recorded March - May 2013. Jose Maria Saluzzi(G), Nicolas "Colacho" Brizuela(G), Felix "Cuchara" Saluzzi(Ts, Cl), Matias Saluzzi(B), Quintino Cinalli(Ds, Per) - 1. Sombras 2. La Polvarera 3-5. Pueblo 6. A Mi Padre Y A Mi Hijo 7. Churqui 8-9. Urkupina 10-14. La Fiesta Popular 15-16. Tiempos Primeros

(14/05/08)3-5、15曲目を除きディノ・サルーシ作曲。主に彼のファミリーでの演奏で、インプロヴィゼーション的なものもありますけれど、ジャズ色はなく、やはり今の洗練された現地の民族音楽という感じ。乾いてなぜか白っぽいイメージのサウンドが時に静かに、たまにダイナミックに響き渡ります。静かな場面が多く、そこがECMらしいと言えばらしいかも。メロディアスなんだけどどこか懐かしい響きがあって、その素朴な音の連なりも心にささってきます。その切なくせまって来る哀愁は、まさにブエノスアイレスで録音された意義があろうかと。味わいのある音楽です。10分台の6曲目は前半エレキベースも使ったサンバ的なサウンドで、ちょっと冷めながら賑やか、かつ静かな部分もあってドラマチック。組曲は小品の集まりが多い。

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