ジャズCDの個人ページ ECM Blog

メインブログ「ジャズCDの個人ページBlog」より、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載しています。両方に並行して記事がありますが、こちらは、より見やすく、なるべく番号順に掲載していきます。若い番号のものは10-20年ぐらい前の文章をそのまま利用しているのがほとんどです。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年9月より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加える作業が本編の未配信3枚(1264, 1268, 1281)を残して完了。Wattレーベル、Works、:rarumシリーズは言及する予定なないです。

カテゴリ: ECM2051-2101番

2087

Far Side/Roscoe Michell(Sax, Fl) And The Note Factory(ECM 2087)(輸入盤) - Recorded March 17, 2007. Corey Wilkes(Tp, Flh), Craig Taborn(P), Vijay Iyer(P), Jaribu Shahid(B), Harrison Bankhead(B, Cello), Tani Tabbal(Ds), Vincent Davis(Ds) - 1. Far Side / Cards / Far Side 2. Quintet 2007 A For Night 3. Trio Four For Eight 4. Ex Flover Five

(10/10/13)ライヴ。全曲ロスコー・ミッチェルの作曲。かなりフリーに近い作品だし、スティーヴ・レイクのアルバム・プロデュースが入っているので、ECMとしてはけっこう硬派。基本は2ピアノ、2ベース、2ドラムスのようです。1曲目は31分ほどあって、出だしの部分が流れていくような静かなフリー、そして、訥々とした内省的なフレーズが静かな中に続いていき、中盤以降ギャロンギャロンと延々と盛り上がりがあって、これでもか、とフリーで攻めていきます。間合いのある唐突なテーマから、静かで重厚なやり取りが続いて徐々に盛り上がる2曲目、語りあいのフレーズが続いていくような、静かな無機的なフレーズが応酬していく3曲目、前後にややアピールするテーマを持ってきて、中盤部には混沌としつつ盛り上がる部分もある4曲目。

2086

Cartography/Arve Henriksen(Tp, Voice, Field Recording)(ECM 2086)(輸入盤) - Released 2008. Jan Bang(Live Sampling, Samples, Beats, Programming, Bass Line, Dictaphone, Organ Samples, Arrangement), Audun Kleive(Per, Ds), David Sylvian(Voice, Samples, Programming), Helge Sunde(String Arrangement and Programming), Eivind Aarset(G), Lars Danielsson(B), Erik Honore(Synth, Samples, Field Recording, Choir Samples), Arnaud Mercier(Treatments), Trio Mediaeval(Voice Sample), Verane Andronikof(Vo), Vytas Sondeckis(Vocal Arrangements), Anna Maria Friman(Voice), Stale Storlekken(Synth, Samples) - 1. Poverty And Its Opposite 2. Before And Afterlife 3. Migration 4. From Birth 5. Ouija 6. Recording Angel 7. Assembly 8. Loved One 9. The Unremarkable Child 10. Famine's Ghost 11. Thermal 12. Sorrow And Its Opposite

(08/11/16)Arve Henriksenと他のメンバー達の共作が多い。生音一発ではなくて、サンプラー、Field Recordingの多用によって、制作にけっこう時間がかかっているのではないでしょうか。なので珍しく録音年月が書いてありません。Henriksenは尺八の要素もあるような、ある種独特のサウンドのトランペットを吹く人ですが、ここでは淡々と吹く環境に合わせて、バックの音も、時にある程度人工的にもなったり、ヴォイスも入ったりしながら、ECMらしさを失っていない統一されたサウンドになっています。最近多くなっているサンプラーの使用も、北欧のミュージシャンらしく、手馴れたもの。ゆったりとドラマチックに悠久の時が流れていくような、それでいて温度感が低いサウンド。インプロヴィゼーションを時間をかけて積み重ねた感じ。

2085

Chiaroscuro/Ralph Towner(G)/Paolo Fresu(Tp, Flh)(ECM 2085)(輸入盤) - Recorded October 2008. - 1. Wistful Thinking 2. Punta Giara 3. Chiarocuro 4. Sacred Place 5. Blue In Green 6. Doubled Up 7. Zephyr 8. The Sacred Place (Reprise) 9. Two Miniatures 10. Postlude

(09/11/29)2人の共作が9-10曲目のアルバムラストに2曲あり、5曲目が有名な、やや静かで哀愁度の高い、2人の息も合っている「ブルー・イン・グリーン」、そして残りの1-4、6-8曲目がラルフ・タウナーの作曲。パオロ・フレスのトランペット(フリューゲル・ホーン)が透明度が高いサウンドとクリアーなメロディなのと、タウナーのクラシックや12弦ギター(時にバリトン・ギターも)の響きの相乗効果で、スペイシーな、ECMらしいデュオが繰り広げられています。いつもよりは温度感がほど良く高め。何となくクラシックの曲を聴いているような雰囲気も。7曲目は丁々発止のけっこう激しいやり取りの部分も。9-10曲目のインプロヴィゼーション?の曲も完成度は高いです。10曲で46分ほどなので、もう少し長くても、と思う内容。

2084

As Ney/Cyminology(ECM 2084)(輸入盤) - Recorded April 2008. Cymin Samawatie(Vo), Benedikt Jahnel(P), Ralf Schwarz(B), Ketan Bhatti(Ds, Per) - 1. As Ney 2. Niyaayesh 3. Kalaam/Dassthaa/Delbasstegi 4. Sendegi 5. Por Se Ssedaa 6. Naagofte 7. As Ssafar 8. Ashkhaa

(09/02/22)1、6-7曲目の作詞がメンバー以外(特に1、6曲目は13-14世紀の詩)ですが、他の作詞作曲はメンバーの誰かまたは複数。提供曲や詞の多さからCymin Samawatieがメインか。このレーベルにしては珍しくヴォーカル曲ばかり。イラン系のヴォーカリストでペルシャ語の歌詞とのこと。ドラムスがインド系で、他の2人はヨーロッパ人。この折衷感覚が、西洋音楽と東洋(中東)との軽いエキゾチックな雰囲気をもたらしています。明るめの曲もありますが、メロディは哀愁度が高めの曲が多いです。ただ、その範囲の中でもサウンドカラーはさまざま。不思議な浮遊感覚も伴っていて、バックに徹している3人がときに目立つ場面も。変拍子の曲も混ざります。3曲目は15分あってドラマチック。盛り上がる部分もあります。

2082

Saudacoes/Egberto Gismonti(G)(ECM 2082/83)(輸入盤) - Recorded Augusut 2006, April and May 2007. Camerata Romeu, Zenaida Romeu(Cond), Alxandre Gismonti(G) - [CD1] Sertos Veredas - Tributo A Miscigenacao: 1. Sertos Veredas 1   2. Sertos Veredas 2   3. Sertos Veredas 3   4. Sertos Veredas 4   5. Sertos Veredas 5   6. Sertos Veredas 6   7. Sertos Veredas 7 - Palhaco Na Caravela   [CD2] Duetos De Violos: 1. Lundu 2. Mestico & Caboclo 3. Dois Violoes 4. Palhaco 5. Danca Dos Escravos 5. Chora Antonio 7. Zig Zag 8. Carmen 9. Aguas & Danca 10. Saudacoes

(09/06/21)CD1枚目はエグベルト・ジスモンチは作曲(一部共作)のみで、クラシックの弦楽楽団による演奏。なので現代音楽のジャンルに入ると思います。CD2枚目はギターのデュオの演奏。Alxandre Gismontiのソロが4、6曲目、彼の作曲が6曲目。エグベルト・ジスモンチのソロは10曲目で、主に彼の作曲ないしは共作。1枚目は現代音楽でも難解さはあまりなく、それでも西欧的で温度感は低め。ラストに分かりやすいメロディ。CD2枚目は、再演曲もあって、意味過去の再演と現在進行形の彼のギターを聴けるところに意義があるかも。乾いたクラシックギターの音と速いフレーズの技巧がスゴい。ただ、インプロヴィゼーションはあっても、ジャズとは離れたサウンドなので、聴く人を選ぶか。傍系レーベル「Carmo」のマークも。

2081

The Promise/Vassilis Tsabropoulos(P)(ECM 2081)(輸入盤) - Recorded January 2008. - 1. The Other 2. Tale Of A Man 3. Smoke And Mirrors 4. Pearl 5. The Promise 6. The Other, Var.1   7. Djivaeri (On A Greek Folk Song) 8. The Insider 9. Confession 10. Promenade 11. The Other, Var.2

(09/04/02)ギリシャのピアニスト、Vassilis Tsabropoulosのソロ・ピアノ作品集で、全曲彼の作曲。以前からの彼のアルバムの傾向でも分かるように、いわゆるジャズ色はなく、かなりクラシック的、そしてヒーリング的、ギリシャ的なインプロヴィゼーションで静かに進行していく曲が多い。薄暮的な静かな空間の中に、哀愁度もあって、透明度の高いピアノが淡々とメロディを奏でていく、いわゆるECM的なピアノ・ソロのアプローチ。長調の曲もやはり少しもやのかかった中から、ジャケットのごとく光が見えるような明るさです。全体の色調に調和がとれています。分かりやすく、心の中にしみこんでいくピアノが最近彼がECMで何枚もアルバムを出している人気度になっているのでは、と思わせます。限りなくクラシックに近い彼の心象世界。

2080

Stone In The Water/Stefano Bollani(P) Trio(ECM 2080)(輸入盤) - Recorded October 2008. Jesper Bodilsen(B), Morten Lund(Ds) - 1. Dom De Iludir 2. Orvieto 3. Edith 4. Brigas Nunca Mais 5. Il Cervello Del Pavone 6. Un Sasso Nello Stagno 7. Improvisation 13 En La Mineur 8. Asuda 9. Joker In The Village

(09/09/06)全9曲中4曲(5-6、8-9曲目)がステファノ・ボラーニの作曲で、ベーシストの曲も2-3曲目に。ボラーニがイタリア人に対し、ボトムの2人はデンマーク人。レーベルカラーなのか、非4ビート系で慈しむような、流れていく静かなトリオの曲が目立っていて、これはこれで非常に美しいサウンド、そして紡ぎだされるフレーズ。それでいて2、5曲目のようにある程度エネルギーがあり、ピアノのフレーズが盛り上がりで爆発するような曲もあります。トリオの温度感は低めだけれど、ボラーニのピアノの内なる情念がふつふつと燃え上がろうとする雰囲気を時おり感じます。アントニオ・カルロス・ジョビンの共作曲の4曲目が異色だけど、静かに進行して行き、他の曲と同化しています。7曲目はフリーでなく、他の人の作曲。

2079

The End Of A Summer/Julia Hulsmann(P) Trio(ECM 2079)(輸入盤) - Recorded March 2008. Marc Muellbauer(B), Heinrich Kobberling(Ds) - 1. The End Of A Summer 2. Konbanwa 3. Kiss Drom A Rose 4. Last One Out 5. Quint 6. Senza 7. Not The End Of The World 8. Sepia 9. Gelb 10. Where In The World

(08/10/25)Julia Hulsmann作曲は全10曲中6曲(1、5-10曲目)、他はメンバーの曲が中心。アルバムの長さは47分台と、少し短めで曲が多いです。あまり抽象的にならずに、哀愁の漂う音数の多くない印象的なピアノの曲が多く演奏されています。基調はECMサウンドと言えますが、ある意味聴きやすくて、ECMファン以外にも受け入れられるのでは。特にタイトル曲の1曲目の哀愁度と静けさ度はかなり聴く人の心を揺さぶります。比較的温度感の低い非4ビート系の演奏が続くけれども、その中でも5、9曲目は、16ビート系ながらも割と快活な演奏。ミステリアス系の4曲目も印象的な雰囲気。基調のサウンドを中心に変化に富む演奏。曲によってはあまり静けさを追求する感じでないですが、ひきつけられるものがあります。

2078

Live At Belleville/Arild Andersen(B, Electronics)(ECM 2078)(輸入盤) - Recorded September 2007. Paolo Vinaccia(Ds), Tommy Smith(Ts) - 1. Independency Part 1   2. Independency Part 2   3. Independency Part 3   4. Independency Part 4   5. Prelude To A Kiss 6. Outhouse 7. Dreamhorse

(08/10/26)5曲目がデューク・エリントン作の他は全てアリルド・アンデルセン作。ライヴで、活発な部分もあって、ECMにしてはかなり外向的なサウンドの部分もあり。1-4曲目がメインですが、各10分以上の曲。意外に組曲としてまとまっています。時にエキゾチック、時に叙情的に盛り上がっていく少しスピリチュアルな1曲目、アップテンポの4ビートでかなりエキサイティングな展開の2曲目、エレクトロニクスを使用してゆったりとした牧歌的な3曲目、軽めの4ビート的サウンドから自由に発展、その後メロディで締めくくる4曲目、ブレイクしていてオリジナルのようなバラードの5曲目、ドラムスを中心にはじまり、空間的から4ビート、ファンク、ユニゾンまで幅広い6曲目、暖かいメロディと時にユニゾンで奏でていくバラードの7曲目。

2077

Last Night The Moon Came Dropping Its Clothes In The Street/Jon Hassell(Tp, Key)(ECM 2077)(輸入盤) - Released 2009. Recorded November 2008(3, 8, 10). Peter Freeman(B, Per, G), Jan Bang(Live Sampling), Jamie Muhoberac(Key, Ds), Rick Cox(G), Kheir Eddine M'Kachiche(Vln), Eivind Aarset(G), Helge Norbakken(Ds), Pete Lockett(Ds), Dino J.A. Deane(Live Sampling), Steve Shehan(Per) - 1. Aurora 2. Time And Place 3. Abu Gil 4. Last Night The Moon Come 5. Clairvoyance 6. Courtrais 7. Scintilla 8. Northline 9. Blue Period 10. Light On Water

(09/02/21)1、8曲目以外はジョン・ハッセルの作曲。「ライヴ・サンプリング」を全曲で使用していて、ジャズというよりはアンビエントな音響系のミュージックという感じのサウンド。ゆったりとしていて、映画音楽を聴いているような感じ。曲によって参加者が替わり、北欧のミュージシャンも混ざっていますけど、色合いがかなり似ているため、曲として調和しています。3、8、10曲目がライヴ録音なのですが、こちらの方がややアクティヴか。ゆったりとしたトランペットなど、ある種のジャズを感じることがあるので、これが近未来系のジャズなのか、と思うことも。それとも別な何かなのか。このレーベルらしい音楽だし、一部のゆるいビートがある曲を除き、ビート感もはっきりせずに流れていくような曲が多めなので、聴く人を選ぶかも。

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