カテゴリ: ECM5501番-(音楽DVD)他
Marta(P) And Gyorgy Kurtag(P)/In Memoriam Haydee/Jatekok - Games And Transcriptions(ECM New Series 5508)
(15/03/23)クルターク夫婦によるパリでのライヴ映像。自作とバッハの編曲作品とで構成されていて、バッハの作品も間にちりばめられているのはアクセント。1人の演奏の時もあれば、2人での連弾の時もあります。1時間20分ほどの映像の中にアンコールを含めて43曲もあるので、小品を連ねてドラマを作っていくような感じもあります。LGM Televisionで制作して、それをECMが出したという形ですが、その表現は十分にECM的です。
Radhe Radhe - Rites Of Holi/Vijay Iyer(P, Comp)/Prashant Bhargava(ECM 5507)
(14/11/24)全曲Vijay Iyerの作曲。小編成のオーケストラやパーカッションなどと共演しています。ビデオのサウンドトラックという位置付けなのか、そのような表記が。ビデオ自体はしゃべりがなくて、ややインド風味もクラシック色もあるVijay Iyerの曲をバックに、エキゾチックでカラフルなインドのお祭り(?)の風景や人物などが次々にあらわれてくる映像。これだけで異世界に旅立ったような感覚を覚えるのですが、そのバックに流れる音楽は、CDで出してもいいくらいのクォリティで、カットもなく全編おさめられている様子です。収録時間もそんなに長くなく、ちょうどいい感じ。それにしても、映像はいかにもインドらしいエキゾチックな面を画像だけではなくて、その派手な色合いでも表現していて、なかなか不思議な感覚にさせてくれます。
Elegy Of The Uprooting/Eleni Karaindrou(P)(ECM New Series 5506)
(09/03/14)ECM 1952/53の同じタイトル曲のCDと同じ日の録音、同じテイクで、2曲こちらの方が多く入っています。全曲Eleni Karaindrouの作曲した映画音楽で、それを、オーケストラ、古楽器、コーラスを加えた大編成でコンサートをやった模様を収録。ほの暗いサウンドの比較的短めのサウンドトラック。大編成のオーケストラやコーラス隊を交えたコンサートなのでヴィジュアル化すると、なかなか見ごたえがあります。哀愁まっただ中。
Live In Japan 93/96/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 5504/05)
(09/03/15)’93年のよみうりランドのオープン・シアター・イーストでのコンサートと’96年のオーチャード・ホールでのコンサート。やはりビデオアーツからレーザーディスクが出ていたもの。’96年の演奏はCDでも「Tokyo'96」(ECM 1666)で出ていますが、CDでは13-14曲目がカットされています。キース・ジャレットの作曲(インプロヴィゼーション)はDisc1の5曲目後半と10曲目、Disc2の9曲目後半、11曲目後半。収録時間は何と230分。’93年の演奏は野外で雨という悪条件にもかかわらず素晴らしい演奏を残してくれました。初期と比べて、より一体感も増していて、しかも自由奔放なトリオを聴くことができ、冒険できるところはバンバンやっているという感じです。後半に自然な流れでオリジナルに行く曲があるのも特徴か。
Standards 1/2/Keith Jarrett(P)/Gary Peacock(B)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 5502/03)
(09/03/15)スタンダーズ・トリオの初期の頃の演奏。どちらも東京での公演で、’85年が厚生年金会館、’86年が人見記念講堂でのライヴ。レーザーディスクでビデオアーツから出ていました。今からするとちょっと時代を感じさせる映像ですが、若い頃の彼らの映像を観ながら演奏を聴ける貴重な機会。Disc1の4、6-7曲目がキース・ジャレットの作曲の他は、スタンダードやジャズメン・オリジナルで、2枚あわせてトータル210分にもなるのがうれしい。しかも、CDではまったく出ていない録音のため、観て(聴いて)おく価値はあるかもしれません。やはりスタンダーズ初期の頃の演奏ということで、当時から完成度は高いですが、その上勢いもあって若々しい演奏に仕上がっています。最初から彼らは別格なピアノ・トリオでした。
Tokyo Solo/Keith Jarrett(P)(ECM 5501)
(09/03/14)ECM 1960/61「Radiance」の中の14-17曲目にも同じ日の同じテイクが4曲収録されていますが、これは東京のソロ150回記念となった東京文化会館で完全収録されたもの。10-12曲目がトラディショナルだったりスタンダードですが、その前は完全即興演奏。現代音楽的な無調っぽい速いパッセージが続いたり、牧歌的なバラードがあったり、哀愁満点の訴えかけるメロディがあったり、同一コードが続いたりと、ドラマチックにソロ・ピアノの演奏は進行していきます。抽象的な音使いと親しみのあるメロディを織り交ぜながら、聴く人の感性に訴えかけるコンサートは他の追随を許さない、完成度の高いものです。やはり’02年の録音ということで、当時の演奏の密度の濃さがあらわれているのでしょう。緊張感あり。