ジャズCDの個人ページ ECM Blog

「ジャズCDの個人ページBlog」の記事のうち、ECMレーベル(ECMレコード)の記事のみをピックアップして掲載。こちらは番号順に掲載しています。また、カテゴリーの「ジャズ」(ECM)には「フュージョン・ファンク」「民族音楽」なども含み、「クラシック・現代音楽」(ECM New Series)には「古楽」「宗教音楽」なども含みます。’19年より未CD化作でストリーミング配信だけのものも加え、’20年からLP聴きも追加してECM本編とJAPOが終了。Carmoレーベル、Wattレーベル、ECM Special、Works、:rarumシリーズは予定はないです。コメント付きで網羅しているのは日本では(私のホームページとメインブログと)ここだけではないかと。深みはないけど網羅してます。

カテゴリ: ECM2102-2150番

2128

Lost In A Dream/Paul Motian(Ds) Trio(ECM 2128)(輸入盤) - Recorded February 2009. Chris Potter(Ts), Jason Moran(P) - 1. Mode VI 2. Casino 3. Lost In A Dream 4. Blue Midnight 5. Be Careful It's My Heart 6. Birdsong 7. Ten 8. Drum Music 9. Abacus 10. Cathedral Song

(10/03/17)ライヴ録音。5曲目のみスタンダードで、他は全部ポール・モチアンの作曲。以前はジョー・ロヴァーノとビル・フリゼールとのトリオがあったけれど、メンバー、楽器が替わっても、ポール・モチアンの温度感の低い、静かでフワフワした感じのサウンドはそのまま健在です。メンバーがスゴいことも特筆。ただ、このメンバーでは単に静かなままだけではなくて、ピアノや、時にサックスがサウンドの統一感を保ちつつ、8-9曲目のようにバリバリと盛り上がる場面もあったりします、これはライヴだからなのかどうか、分かりませんが。そこにスコン、スコンとモチアンのドラムスが響きわたります。メンバーのいつもの方向性に期待するとイメージが違うかもしれませんが、空間的な割には密度の濃い、統一感のとれたサウンド。

2127

Maria's Song/Sinikka Langeland(Voice, Kantele)(ECM 2127)(輸入盤) - Recorded February 2008. Lars Anders Tomter(Viola), Kare Nordstoga(Org) - 1. Lova Lova Lova 2. Meine Seele Erhebet Den Herren BWV 648   3. Ave Maria 4. Suite No.1 In G Major BMV 1007: Prelude 5. The Angel Gabriel Greets Mary 6. Suite No.1 In G Major: Allemande 7. But The Angel Said To Her 8. Suite No.1 In G Major: Courante 9. He Will Be Grant 10. Suite No.1 In G Major: Sarabante 11. Mary Asked The Angel 12. Suite No.1 In G Major: Menuet 1 & 2   13. Even Elizabeth 14. Suite No.1 In G Major: Gigue 15. Vom Himmel Kam Der Engel Schar BWV 607 - I Am The Load's Servent 16. Lova Lova Lova 17. Fuga Sopra Il Magnificat BWV 733   18. Mary Visits Elizabeth 19. Kantele 20. Concerto In D Minor BWV 596: 1 - She Was Filled With The Holy Spirit 21. Blessed Is She Who Has Believed 22. Concerto In D Minor: 2. Grave & Fuga 23. Song Of Mary 24. Kantele 25. Concerto In D Minor: 3. Largo E Spiccato 26. Concerto In D Minor: 4   27. Kyrie 28. Partita No.2 In D Minor BWV 1004: Chaconne

(10/06/01)Sinikka Langelandはノルウェーのフォーク歌手。今回はノルウェーのフォークソング(作曲年不詳のものや15-16世紀のもの)とバッハ(17世紀ドイツ)の曲がほぼ交互に出てくるような構成です。彼女の曲やアレンジも出てきて、やはりバロック音楽と北欧の古い民族音楽との融合的な味わいが何ともいえず荘厳かつ素朴な味わいを出しています。楽器編成もカンテレ(琴のようなギターのような)、ヴィオラ、パイプオルガンとシンプルな構成で、しかも、一部の楽器、あるいはそれプラスヴォーカルで淡々と、エキゾチックに曲が進んでいきます。こういう組み合わせでアルバムができるのもECMならでは。全曲にヴォーカルが参加しているわけではない(特にバッハの曲)にしろ、彼女のエキゾチックなヴォーカルは印象的。

2125

Officium Novum/Jan Garbarek(Ss, Ts)/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 2125)(輸入盤) - Recorded June 2009. The Hilliard Ensemble: David James(Counter Tenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Gordon Jones(Baritone) - 1. Ov Zarmanali 2. Svjete Tihij 3. Allting Finns 4. Litany - Otche Nash - Dostonio Est 5. Surb, Surb 6. Most Holy Mother Of God 7. Tres Morillas 8. Sirt Im Sasani 9. Hays Hark Nviranats Ukhti 10. Alleluia. Nativitas 11. We Are The Stars 12. Nur Ein Weniges Noch

(10/09/22)ヤン・ガルバレクとヒリヤード・アンサンブルのコラボレーションの第3弾。ヤン・ガルバレク作が2曲(3、13曲目)にあり、コミタス(19-20世紀の作曲家)や現代音楽のアルヴォ・ペルトなど比較的最近の宗教歌も多めですが、もっと前の時代の作品や作曲者不詳の曲も。本来は歌唱のみを聴かせるべきところ、サックスとの融合でのサウンドが非常に売れて、今に至ると思うのですが、聴いていても実に自然に両者は寄り添います。

2124

Niccolo Paganini/24 Capricci/Thomas Zehetmair(Vln)(ECM New Series 2124)(輸入盤) - Recorded December 2007. - 1-24. 24 Capricci Per Violino9 Solo Op.1

(09/09/06)Niccolo Paganiniは19世紀イタリアのヴァイオリニスト、作曲家。超絶技巧のヴァイオリニストとして知られ、この曲もヴァイオリンのソロなのに、まるで複数のヴァイオリンが鳴っているかのような、数多くの音符で彩られています。これを再現することさえ非常に難しいことと思われるのに、それを音楽的に高めて演奏しているThomas Zehetmairの技術、音楽性もたいしたものです。しかし、どうやって音を出しているのか、不思議。

2122

Robert Schumann/Geistervariationen/Andras Schiff(P)(ECM New Series 2122/23)(輸入盤) - Recorded June 2010. - 1-12. Papillons Op.2   13-16. Klaviersonate Fis-Moll Op.11   17-29. Kinderszenen Op.15   30-32. Fantasie C-Dur Op.17   33-41. Waldszenen Op.82   42-47. Thema Mit Variationen (Geistervariationen) 48. Fantasie C-Dur Op. 17

(11/09/07)CD2枚組。ロベルト・シューマンは19世紀ドイツの作曲家。ここでは有名な曲「蝶々」「子供の情景」「森の情景」「幽霊変奏曲」などを演奏しています。やはり伝統的な19世紀クラシックのピアノ演奏なので聴きやすく、クリアで端正な音はまさにECMでのアンドラーシュ・シフのアルバムにふさわしいものとなっています。19世紀の情念が今によみがえってくるような感触も。正統派としてのレーベルイメージを強める1組のアルバム。

2121

Oylam/Judith Berkson(Voice, P, Key, Org)(ECM 2121)(輸入盤) - Recorded April 2009. - 1. Goddbye Friend No.1   2. Bruce 3. Inside Good Times 4. Clives 5. All Of You 6. Mi Re Do 7. Ahavas Oylam 8. Little Arrows 9. Der Leiermann 10. Fallen Innocent Wandering Thieves 11. They Can't Take That Away From Me 12. Burnt 13. Hulyet, Hulyet 14. Goodbye Friend No.2

(10/05/31)スタンダードが2曲(5、11曲目)、シューベルトの曲に詞をつけた1曲(9曲目)、他人の曲が1曲(13曲目)で、他はJudith Berksonの曲ないしは共作。ヴォーカルをとっているのは、全14曲中2-13曲目の12曲。45分弱なので、どの曲も短め。歌詞は英語。ピアノその他の腕に関しては、地味ですが、時にべらべらと流暢にフレーズを弾いている場面も。ただ、ジャズ的な感じでは薄く、もっと重めに訥々とした雰囲気があります。ヴォーカルはオリジナルは音がぶっ飛んでいて、前衛的なところも。囁きやオペラ風、普通に歌う歌も。13曲目はヴォーカルのみの多重録音。スタンダードもけっこう個性的。持ち込んだデモテープ、という趣きですが、プロデューサーがスティーヴ・レイクなので、この前衛的なのもなるほど。

2120

Pastorale/Stefano Battaglia(P, Prepared P)/Michele Rabbia(Per, Electronics)(ECM 2120)(輸入盤) - Recorded March 2009. - 1. Antifona Libera (A Enzo Bianchi) 2. Metaphysical Contlations 3. Monasterium 4. Oracle 5. Kursk Requiem 6. Cantar Del Alma 7. Spirits Of Myths 8. Pastorale 9. Sundance In Balkh 10. Tanztheater (In Memory Of Pina Bausch) 11. Vessel Of Magic

(10/02/06)Stefano Battagliaの作曲ないしは2人の共作(タイトル曲の8曲目はインスパイア曲)。フリー・インプロヴィゼーションとメロディ的曲との混合。エレクトロニクスとパーカッションが効果的に使われています。これらの相性は割といい。1曲目の静かな感じと哀愁、メロディ的に補助をする空間的なエレクトロニクスのメロディと、導入部としてのつかみはバッチリ。ただ、2曲目以降、いかにも空間的フリーというような曲もあります。9曲目など、エスニックな面も曲によっては出ています。メロディよりは音がせまる部分は、本来メロディ楽器であるピアノを非イディオム的に使う部分があって、その分とっつきにくさもあるかも。4曲目のような、少し激しさをともなうメロディの曲もありますが、それでもECM的か。不思議なバランス。

2119

John Potter(Voice)/Secret History/Josquin Desprez/Tomas Luis De Victoria(ECM New Series 2119)(輸入盤) - Recorded February 2011. Anna Maria Friman(Voice), Ariel Abramovich(Alto, Tenor, Bass Vihuelas), Jacob Heringman(Tenor, Bass Vihuelas), Lee Santana(Alto, Tenor Vihuelas), Hille Perl(Viola Da Gamba) - 1. Nesciens Mater 2. Prelude I 3. Kyrie 4. Prelude II 5. Gloria 6. Prelude III 7. Credo 8. Prelude VI 9. Sanctus 10. Benedictus 11. Prelude V 12. Agnum Dei 13. Inviolata(Chant) 14. Inviolata 15. Absalom Fili Mi 16. Obsecro Te(Chant) 17. Obsecro Te 18. Salve Regina 19. Benedicta Es(Chant) 20. Benedicta Es 21. Nymphes De Bois 22. O Magnum Mysterium

(17/09/02)Josquin Desprezは15-16世紀のフランスの作曲家で、14-15、17-18、20-21曲目。Tomas Luis De Victoriaは16-17世紀スペインの作曲家で、3、5、7、9-10、12、22曲目。メンバーのJacob Heringmanの作曲のインスト小品での2、4、6、8、11曲目と作曲者不詳の13、16、19曲目その他で成り立ってます。演奏は歌唱やインストの古楽で、2人の関連性はないですが、サウンドは割と統一されています。

2118

Febula Suite Lugano/Christian Wallumrod(P, Harmonium, Toy P) Ensemble(ECM 2118)(輸入盤) - Recorded June 2009. Eivind Lonning(Tp), Gjermund Larsen(Vln, Hardanger Fiddle, Viola), Tanja Orning(Cello), Giovanna Pessi(Baloque Harp), Per Oddvar Johansen(Ds, Per, Glockenspiel) - 1. Solemn Mosquitoes 2. Pling 3. Drum 4. Jumpa 5. Dancing Deputies 6. Quote Funebre 7. Scarlatti Sonata 8. Snake 9. Knit 10. Duo 11. I Had A Mother Who Could Swim 12. Blop 13. The Gloom And The Best Man 14. Jumpa #2   15. Valse Dolcissima 16. Glissando 17. Mosquito Curtain Call 18. Solo

(09/11/09)3、7、10、17曲目以外はChristian Wallumrodの作曲。使用楽器から見ても分かるとおり、古楽、バロック音楽とインプロヴィゼーションを合わせた感じの音楽。1曲目はトランペットがちょっと妖しい感じですが、他は落ち着いたサウンドで、New Seriesに入れても違和感がないのでは、と思わせる雰囲気。7曲目はドミニコ・スカルラッティの作曲。インプロヴィゼーション度も、ドラムスやパーカッションも入っていたりして、耳を凝らしてみればフレーズも気がつきますが、クラシックでも使用される楽器や古楽器のサウンドが目立っていて、ECMでしか成しえない折衷サウンドなのは確かです。これをジャズと扱うかどうかは聴き手には微妙ですが。65分ほどで18曲と、中くらいの長さの曲と小品が交ざりあう静かな作品。

2117

Valentin Silvestrov/Sacred Works(ECM New Series 2117)(輸入盤) - Recorded 2006-2007. Kiev Chamber Choir, Mykola Hobdych(Cond) - 1-12. Liturgical Chants 13-14. Two Spiritual Songs 15-16. Two Spiritual Chants 17-18. Two Psalms Of David 19-20. Diptych 21-23. Alleluia

(09/11/29)Valentin Silvestrovは20-21世紀ウクライナのキエフ出身の現代音楽家。ここでは19-20曲目のみ’95年作で、他は’05-06年の作曲です。宗教的な題材だと思うのですが、荘厳な雰囲気で、和声も安定しているので、現代音楽というよりは、新しいのに教会音楽として、安心して聴くことができます。ゆったりと繰り広げられているので、ある意味ヒーリング的な効果もあって、落ち着きます。ECM的な教会サウンドの世界。

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